人生、難あり

若俳推し活備忘録

1番好きな舞台の話・中編

※こちらのブログは前回エントリーしたブログ(1番好きな舞台の話・前編)の続きになるものです。あらかじめご了承ください。

※レポというよりもはや本編を紹介しているだけです。実際の台詞とかなり異なる場面もあります。

 

「デビューに向けて頑張ります!」とやる気を見せる3人をよそに、何故かひとりでどんよりと沈むマネージャー。そのローテンションさに嫌な予感をひしひしと感じる3人ですが、それと同時にマネージャーと同伴してきた《謎の男》の存在ならびに、彼がやたらと訳知りな口調で会話にちょいちょい突っ込んでくるのも気になります。謎の男は本題をなかなか切り出そうとしないマネージャーに「君の口からきちんと彼らに話すべきだよ」と促すと、自分のことは気にせずどうぞ、と言わんばかりに椅子に座ってくつろぎ出します。

もうこれ以上は引き延ばせない。遂にマネージャーも観念したのか、悲痛な顔で彼らに告げます。「お前らのデビューは訳ありなんだ。想像しているものとは違う」

さて、訳ありのデビューとは一体何か。要約するとこんな感じです。

 

・彼らのデビューは《いずれは解散すること》を前提にしている

・事務所の狙いは《損切り》である為、当然ながら彼らを売り出すつもりは毛頭無い

・ちなみにデビューの場として事務所が用意してきたものは、現在売り出し中の後輩2人のワンマンライブの前座である

・完全アウェーのステージに立たせ、盛り上がらないライブをさせて、完膚なきまでに恥をかかせて、3人に自ら《もう辞めたい》と言い出させるのが事務所の目的

・更にはそれが事務所にとっては習慣のようになっていて、実は彼らのマネージャーも、かつてはアイドルグループとしてデビューを果たしていたものの、損切りをされて芸能界から身を引いたという、衝撃の事実が明らかに……

 

マネージャーの口から明かされる話に思わず顔が強張る3人。それもそうです、あれ程までに待ち望んでいたデビューがまさか損切りとして仕組まれたもので、しかも事務所は自分らのことを「お荷物」扱いしていることまで分かってしまった訳ですから。しかし「ひでえよ……」「こんなのってアリかよ……」と落胆に暮れるメンバーをよそに、推しはここでもマイペースです。いきなりひとりでいつものように「セブン、エイト!」とカウントを始め、いつものように踊り出します。メンバーからは「ふざけてる場合じゃねえだろ!」と怒鳴られますが、とにかくひたすら踊る推し。そしてとうとう「やめろよ!」と静止をされたその時に、推しは初めて声を荒げて、その感情を露わにしました。

「セブン、エイト、の次はなんだ?」

「?……ワン、ツー?」

「そう!ワン、ツー!だ!ワン、ツーが来る!……セブン、エイト、と来たら次はワン、ツー!自然とカウントが続くだろ!自然と身体が動くだろ!」

彼がひたすらセブン、エイト、とカウントを取り、止められても尚踊り続けているのはある意味《何があっても夢を追うのを諦めはしない》意思表示なのかもしれません。自分の中で8拍を刻むこのカウントが聞こえ続けるその限り、決して自らギブアップはしない。ギブアップなどするもんか。……デビューの話に打ちひしがれていたメンバーも、彼の言葉に気を取り直し「やるしかねえか!」と発奮します。すると今までだんまりだった《謎の男》が「思った通りだ」 と意味深に笑い、マネージャーに向かって「この3人のデビューの話、絶対成功させようじゃないか!」と言い出します。

実はこの、マネージャーが一緒に連れて来ていた《謎の男》の正体ですが、マネージャーの飲み仲間である《超有名な凄腕音楽プロデューサー》なのです。飲み屋の席でマネージャーから3人の話を聞かされるうち、彼らにめちゃくちゃ興味が湧いたというこのプロデューサー、彼らの窮地を救うべく、ひと肌脱ぎに来た訳です。「君たちにはもう後が無い。まさに一貫の終わりだね!!」と大笑いするプロデューサーにメンバーも思わずムッとしますが、彼はしれっと続けます。

「そんな君たちのデビューライブが成功したら、事務所もさすがに黙っちゃいない。僕が君たちをプロデュースして、君たちの為に最高の曲を提供しよう!……逆転劇を見せつけて、あっと言わせてやろうじゃないか!」

渡りに舟とはこのことでしょう。まさか世界で活躍している名だたるトップアーティスト達に楽曲提供をしているようなプロデューサーが、自分らの為に曲を作ってデビューを後押ししてくれるとは!消沈していたメンバーもこの展開に狂喜乱舞し「でっかい花火、打ち上げますか!」とあらためて気合を入れ直します。

で、ここからいよいよデビューに向けての策が練られていく訳ですが、プロデューサーは3人のことをよく知る為にも、メンバーのファンと面会したいと提案します。「カロリーの高いファンの意見は積極的に取り入れるべきだ」ということで、急遽彼らの《たったひとりの熱烈なファン》が呼び出されます(ちなみにこちらを演じているのはメンバー内で2番目に若いキャストさんで、当然ながらしっかり女装をしています)

ここで特筆しておきたいのが、この作品に登場してくるキャラそれぞれの設定の濃さです。推しが演じる主人公は勿論、周りを固めるキャラも相当キャラ立ってますが、このファンの子(※以下《Sちゃん》と表記します)の設定が1番凄いというか深いというか、とにかく凄い!の一言に尽きます。はてブロでも以前話題になった『りさ子のガチ恋♡俳優沼』でも「若俳オタクの特徴をよく押さえている」とレポートされていましたが、脚本家の方は私らオタクをひっそりこっそり観察してたりするんだろうか???と思う程、舞台の上でSちゃんが発する台詞はめちゃくちゃリアルなものばかりでしたし、観客席に向かっていきなり「この会場にはあたしなんかよりもっと上の!!!年季の入ってる先輩方が!!!いるんだからな!!!!」と言い出した時には、ガチで言葉を失いました……。

ちなみにSちゃんは所謂普通の《どこにでもいる、一般的なOL》で、メンバーのことはアイドルの頃から追っかけています。Sちゃん曰く「あの3人が私を救ってくれたから」ファンを続けているそうですが、そのあとに続く彼女の言葉は聞いてて結構重かったです。中でも1番ずしりと来たのは、自分自身の存在価値を卑下するような独白をしたそのあとで、ぽつりと零した『誰かの《夢》に寄り添いたい』という台詞。デビューをしても1年足らずで解散し、10年経っても鳴かず飛ばずの状態が続く、推し甲斐なんか全然無さそな3人のことを、何故Sちゃんがここまで必死に応援するのか。ポンコツ過ぎる語彙力なのでうまく言葉に出来ないのですが、Sちゃんにとっては推し活イコール、単なる趣味では片付けられない、大きな意味を持っているんじゃないのかな、と。

例えば新譜の円盤を積む。出演舞台を多ステする。ブロマやパンフは大量に買う。個イベのチェキ会、握手会では可能な限りとにかくひたすら周回をする。それ以外には入る現場にプレボがあればファンレと+αを突っ込んでみたり、ちょっと豪華なフラスタを一基送ってみたり。推し活の形は人それぞれで、目的だって勿論それぞれ異なるけれど、そのアクションが《推しが追ってる夢を叶える》足しになればと思ってやってる部分はあると思うんですよ。私の場合も「推しが再び《かつて演じた某キャラの役》で、舞台の上に立ち上がる日が来るように」と願ってやまない一心で、日々推し活に励みまくっているのですから。だから劇中においてSちゃんが放った台詞の全てに、心の底から共感しました。Sちゃんを演じたキャストの方の迫真の演技も含めて全部、今尚深く印象に残るシーンのひとつだったりします。

 

そしてSちゃんはメンバーそれぞれ違う魅力があるということ、その3人が揃ってることで絶妙なバランスが保てていること、良い楽曲が提供されればきっと人気も出るということ、それらをひたすら熱弁すると「……私が出来るのはここまでだ。あとはプロに、任せます!」とひとこと告げて立ち去ります(ちなみに例の3人ですが、Sちゃんからは見えないところにこっそり隠れて一部始終を見守っていました)

が、Sちゃんからの貴重な意見があれこれ色々聞けたというのに、どういう訳だかプロデューサーとマネージャーは、ふたり揃って難しい顔をしています。何故ならば実はデビューに際する楽曲は既に事務所側から用意をされてて、提供された楽曲は一切、使用を禁じられてるのです。しかもその曲がすごぶるダサい。実際舞台で3人がそれを歌うシーンがありますが、想像以上のキャッチーなダサさと大真面目な顔で絶唱しているメンバー+悟りを越えて虚無に至っているメンバー+ひとりノリノリで踊り狂ってる半ズボン姿のメンバー(推し)のカオスっぷりに、当時は必死で笑いを堪えていたものです。当然歌う本人達も、羞恥は相当あったのでしょう。曲が終わったその瞬間「何なんだよコレーー!!」「親が見たら泣くよコレ!!」「ダサすぎておしっこ漏れそうだよ!」と、悶絶しだす有様です。

マネージャーはそんな彼らに「……これが事務所のやり方なんだよ……」と呟くと、遠い目をして語り出します。大恥をかいたラストライブのトラウマで、それからずっと人前で歌うというのが出来なくなってしまっていること。芸能界から身を引いたものの、追っていた夢を諦めきれずにマネージャー職に就いていること。ひたすら夢を追い続けるか、それとも途中で追うのを止めるか。25歳になった時、その1次選考が来るんだ、と。

……重いです……めっちゃ重いですこの台詞……いずれいつかはそういう時が来るっているのはわかっちゃいますが、今はあんまり考えたくない……

多分舞台を観に来た方のほぼ全員、芝居を観ながらそれぞれの推しの《25歳を迎えたあとのこれから先》を思って重い気持ちになったんじゃないかと思います。実際私もこのあたりから、観ていて結構しんどかったです。しかしこのあと、更にしんどいシーンが来ます。そう、この物語の核心を担う役だといっても過言ではない、マネージャー及び事務所のお偉い方々に、フォーカスを絞ったシーンです。

 

 

このだらだらとした謎レポも、次で漸く最後になります。読み物としては面白みもなく、ただただ長いだけですが、ご迷惑でなければあともう少しだけ、引き続き宜しくお願いします。

 

でもってついでに閑話休題的な話も少し。

以前ブログで《推しの属する小劇団の公演チケットがなかなか売れないもんだから運営がおかしな企画を立てて来た》ことについての愚痴や文句をかなりだらだら書き綴り、当該舞台を友人知人に観に来て欲しいと頼みまくって推しの名義でチケットを取った、というのもちらっと書きましたけれど、招待をした友人達が「予想以上に面白かった!」「あの推しくんがのびのび芝居をしているところが観られただけでも収穫があった!」と観に行ったその日にお礼と舞台の感想のLINEを、忙しい中わざわざ送ってくれましてですね……むしろこっちがお礼を言いたいくらいでしたよ本当に……

で、多少のお世辞が含まれてるのは勿論わかっているんですけど「機会があったら別の舞台も是非観てみたい!」と皆が言ってくれた気持ちに感謝を込めて、そして小劇団の布教もさりげに兼ねる形で、当該舞台の円盤予約(前払い制)とこの作品の円盤をがっつりしっかり、人数分は買わせていただきました訳です。正直言って【楽しく観られる】作品だとは言い難いですが、招待をした友人知人は彼らと同じ《一芸(=才能)で生活を立てている》側で生きていて、ある意味彼らに1番近い立場の方だと思うので、恐らくきっとこの作品の魅力とそしてメンバー達の作品にかける覚悟だったり真剣みさを、誰より1番深くじっくり、わかっていただけるのではないか?と思い、一方的にプレゼントしました。まあそうしましたら予想以上に大好評でして、ツイッターでも「この劇団の作品を初めて見るんだけども何がオススメ?と聞かれたらまず間違いなくコレを勧めます」「これは劇団の代表作と言っても過言ではない。それくらい良かった」と大プッシュしまくりしてくださいまして、お陰で時々その方を介して劇団のことを聞いて下さる方も増え、誠に有難い限りです。

私は敢えてここでは当該劇団ならびに推しの名前は出さない姿勢を示していますが、もしこのブログを見てくださってこの作品にちらっと興味が沸きましたなら、新宿渋谷、池袋あたりの小劇場で活動している集団なので、1度是非とも彼らの芝居を観にお越しください。過去作品の円盤も全て、物販で入手出来ますので……

1番好きな舞台の話・前編

もし今誰かに「このブログを見てあなたの推しに興味が出たので、オススメの舞台を是非とも教えてくれないか」と声がけされたら、自信をもってオススメしたい作品がある。おもくそ笑えて、おもくそ泣けて、そしてしみじみ色んなことを考えされられる、最&高の作品だ。

今回はその、私が1年通して推しの舞台を観てきた中で今でも何度も円盤を見返し、ツイッターでも度々熱く語ってしまう、そんな舞台の話をします。

 

今年の初め、推しにとっては長期となったとある舞台が無事終わり、推しの属する小劇団から4ヶ月振りの本公演となる舞台の告知がありました。その後すぐに運営からは公演期間と出演メンバー、そしてビジュアルが続けて発表されたんですが、何故だか全員80年代アイドルの如くやけに古風な扮装で、私の推しに至ってはまるで「……これからセミでも捕まえに行くん?」と聞きたくなるよないでたちをしていたもんですから(余談ですけど物販のブロマもその衣装でした)タイトルとキャストのビジュアルがハマらず、遂に初日を迎えたその日、推しを含めたメンバーの皆が「僕らにとっては等身大の物語ともいえる作品」「役の台詞が自分自身に重なって、色々考えさせられた」とツイートするのを見ていても、実際舞台を観に行くまでは、どういう話か全く想像つきませんでした。

ひとまずざっくり前置きを兼ねて設定の一部を紹介しますと

・舞台は現代

推し(主役)は3人組のダンスボーカルユニット?のメンバーのひとりで、メンバー全員所属事務所が用意している下宿に住んでる

・芸能界に入ってかれこれ10年近くの月日が経つが、デビューをしても売れる気配が全く無い為、すぐに解散してしまう

・事務所の偉い人達からは「金にならない」お荷物扱いされている

……まあ要するに《芸能界でのデビューを夢見てがむしゃらに頑張る若者たちの悲喜こもごも》を主軸に描いたこの作品を、芸歴としてはまだ駆け出しの若手に等しい彼らが演じた訳ですよ。登場キャラにも事務所の社長や副社長、プロデューサーにマネージャー、デビューの出来ない彼らを見下す後輩に、そして彼らについてるたったひとりの追っかけファンがいたりするので、そのキャラ達の設定はもとより発する台詞もなかなかリアルなものでしたから、観劇中はあるある過ぎて思わず真顔で見入ってました。

総括するとコメディのようでどシリアス、ノンフィクションのようでいながらあくまでフィクション、メンバーが演じる役それぞれにメンバー自身の自己投影を重ね見ながら、その一方ではかつての自分も同じ思いを抱えていたな、とうすらぼんやり考える、そんな感じの舞台です。これから先は私の言葉によるものですが、その《ものがたり》の紹介などをしていきたいと思います。

(※舞台のストーリーをなぞる形で書き連ねるので、実際の台詞と異なることが多々あります。ご了承ください)

 

 

始まりはとあるスタジオの中。ラジカセから流れる曲に合わせて、ダンスを踊る3人の青年。彼らは全員15の時に芸能事務所の養成スクールに入所をし、それから実に3度に渡ってアイドル・ロッカー・倫理に反するボーカルグループ(=かなり有名な《某国ポップスグループ》のパクリ)と形態を変えてデビューをするも、いずれも全て1年足らずで解散を余儀なくされてます。今は週2で自腹を切ってスタジオを借り、ひたすらダンスの自主練をしながら「いつになったらデビューの話が来るんだろうね」「そのうちチャンスが巡ってくるよ」と10年経っても鳴かず飛ばすの境遇をぼやいて、それでも夢を諦められずにここまで来ている状態です。

が、転機は遂にやって来ます。マネージャーから「お前らのデビューが決まったぞ」と、メンバーの元に1本の電話が入ったのです。その吉報に大喜びし「遂にデビューだ!」とスタジオを慌てて飛び出し、下宿に戻るメンバー達。しかし一方、浮かない顔で電話を切ったマネージャーは、同席していた事務所の社長と副社長に向かって「あいつらのデビュー、考え直してもらえませんか」と訴えます。「俺は今まで頑張ってきたあいつらにきちんと向き合いたい。俺はあいつらのマネージャーとして、こんな形でデビューをさせるのだけは嫌です!」と、漸く決まったデビューの話を喜ぶどころか、必死になって取りやめようと抗議を続けるマネージャー。だが、社長は顔色ひとつも変えることなく、彼に対してきっぱりと告げます。

「金にならない奴らをこのまま飼い続けても、会社にとってはそれだけで既に損失だ。奴らときちんと向き合いたいなら、責任を持ってお前自身で引導を渡せ」

大手の芸能プロダクションにとって、利益を生まないタレント=厄介なお荷物と見なされます。社長が下したその判断は、決しておかしなものではないです。しかしそれでも納得がいかずに「ですが……!」と渋るマネージャーを見て、副社長までもが更に追い討ちをかけました。

「むしろここまで売れない奴らの面倒を見てきてやったんだぞ?会社としても温情は十分、与えてきたと思うんだけど?」 

 

もう本当、ここのシーンは観ていて思わずぞわぞわしました。きっと恐らく本読みした時、色んなことが脳裏を過ぎっていったんじゃないかと…… 。マネージャー役のキャストさんも他の舞台じゃ天真爛漫・明朗快活なキャラを演じていらっしゃいますが、この時ばかりは凄く真面目な、重い演技が際立ってました。

そして場面は一旦変わって、下宿に戻った3人がそこで、後輩にあたるタレントの2人と衝突します。こっちの2人は後輩ながらも既にデビューは果たしている上、ワンマンライブも即完している有望株です。そんな彼らは先輩である3人に対して「早く事務所に入ったってだけで、先輩風を吹かせられても困るんですけどwww」「俺らデビューも決まってますし、次のワンマンも即完ですしwww」と、舐めた態度でかかってきます。さすがにこれにはカチンと来たのか、メンバーのひとりが「舐めてんじゃねえぞ!」と詰め寄りますが、推しはだけは何故か落ち着き払って激昂しているメンバーふたりを諌めると、後輩に向かって謝ったのです。そこで今度は推しがふたりに「あんなこと言われて小バカにされて、お前は悔しくないのかよ!」とぎゃあぎゃあ責め立てられるのですが、彼はけろっとこう言うのです。

「でも、本当のことじゃん」

 

推しが演じる役の子は、他メンバーからことあるごとに「なんかズレてる」「プライド無いだろ」「真面目にやってよ」と言われまくってる、ちょっと頭の足りない子です。ダンスをしててもひとりでおかしなアレンジを入れて浮きまくり、スタジオ代はなかなか払えず毎回「ごめん金無い!代わりに払って!」とメンバーに頼み、挙げ句の果てに「夢を追うなら借金もやむなし!」と、消費者金融の返済に追われ、国民保険を滞納しまくるような子です。こう書き出すと3人の中で彼が1番お荷物になってる感じがしますが(何しろ他のメンバーが後輩と火花を散らしてる最中、ひとり呑気にエロ本を読んでいたくらいですから……)一見すると不真面目に見えても、実は誰より1番真面目に「夢だけを追って生きている」のかもしれません。良くも悪くもマイペースだけれど、その分なかなか諦めない。皆が弱音を吐いた時にも「なんとかなるでしょ!大丈夫っしょ!」とへらへら笑う鋼のメンタルを持っている。

《人気の無い奴は目立てない。この世の生き地獄》とは他の舞台の引用ですが、この一言に全てが凝縮されてます。芸歴の長さは強みにならず、先輩だろうと後輩だろうと、目立てる奴がとにかく強い。推しの言葉で激昂していたメンバー達も漸く我を取り戻し、デビューの話をしにやってきたマネージャーに「俺ら、デビューに向かって頑張りますんで!」と意気揚々と宣言しますが……

 

長くなるのでここで一旦区切ります。

この作品がホントにめちゃくちゃ好き過ぎるので、1度に全部は語れませんでした……

愛を乞う人・リターンズ

遂にこの日が来てしまいました。

 

2ヶ月前に書いたブログで「推しは恐らく出演すると思います」と予想をしていた《とある舞台》の出演キャストがこの度とうとう発表されてしまったんですが、やっぱりというか案の定、推しの名前もその一覧にばっちり挙がっておりました。まあなんとなく「続編の方にも出るんだろうな」とは薄々思っていましたし、推し本人にもちらっとカマかけしてみたところ「アハハハハ!!」と真顔で爆笑されましたから、出演するのがわかった今は、正直割と穏やかでいます。穏やかじゃないのは未だに減らない接触にだけはきっちり真面目に通ってるくせに、舞台はちっとも観に来やしねえクソ茶……まあいいです。

 

ちなみに私はこの作品に悪感情は抱いていません。前回の舞台もなんだかんだでゲラゲラ笑って楽しめましたし、ステージの上で一生懸命歌って踊る推しを観るのも楽しかったです。出演キャストに担当が居る方の中には「あの舞台にだけは出て欲しくなかった!」と嘆かれる方もいらっしゃいますが、一部の演出をスルー出来れば物語自体はコメディですから、頭を使って観る必要が全く無いのでラクですよ。1度も観ずしてイヤイヤ言うのは勿体無いです、いやマジで。

しかし私も一部の演出、ファンが投じたポイントによって立ち位置の変わるあのランキングに関してだけは、心に闇を抱えます。 推しはかなりの頑張り屋さんで負けん気の強い性格ですが、だからといって難なくトップを勝ち獲れるような世界じゃないのは嫌というほどわかってますし、推しをトップに押し上げる為にはそれ相応の火力が必要になることだって、嫌というほどわかっています。有志の方が企画を立てて下さらなければ、トップどころか上位のランクを狙うことすらままなりません。出来ることなら今回の舞台は全公演で上位を飾っていただきたいなと願うのですが、恐らく誰もが自分の推しにはそうあって欲しい筈でしょうから……複雑ですよねこればっかりは。

ひとまず今は外部の仕事で大忙しの推しを静かに応援しつつ、推しにとっては仕事納め(?)にあたる舞台のチケットがどうかご用意されますように!と念じまくって、このあと控える推しの舞台を観に行くことを指折り数えて楽しみにしながら、年明けに向けてアップをしようと思います。前回は運良く公休と個休をフルに使って観に行けましたが、果たして今回どうなることやら。推しの勇姿を見届けられるチャンスがどうか、1公演でも多く巡ってこられますように!!!

推し活の覚悟を試された話

【注意】

このエントリーは今回ほぼほぼ愚痴ばっかりになってます。

あまり気持ちの良い内容では無いだろうなと思いますので、読み進めるのは自己責任でお願いします。

 

つい先日のことですが、推しの属する小劇団の本公演を観に行きました。計4日間の全5公演で会場キャパは150前後の、程よく手頃な舞台です。スケジュールさえ都合がつけば、全通するのも簡単です。

ですが私は全5公演中、千秋楽の1公演しか観られていません。決して楽だけ観られればいいや!今月色々厳しいし!チケットもご用意されなかったし!といった訳ではありません。ましてや他に観に行く舞台やイベント等があった訳でもありません。では何故私が1公演しか観られなかったのかといいますと、以下の事情があるからなのです。

・終業時刻が高確率で22時以降(常時)

・土曜ならびに月末の個休申請、及び有休申請がほぼ不可能(冠婚葬祭は除く)

・但し、日曜祝日は確実に休める

・役職持ちである為、上層部には個休を把握されている(更には休暇の変更を言い渡される場合も多々ある……)

推し活を始めてそろそろ1年。その1年の間に一体何度、観に行きたくとも観には行けない舞台に思いを馳せながら悔し涙を流したことか!チケットがご用意されなかった為に「観に行けなかった」のとは、勿論話が違います。チケットにまだまだ余裕があっても、出演キャストが一生懸命「是非観に来てください!」と呼びかけをしても、行けないものは行けないのです。

仲良くしている同担の方から「今回は何回(現場に)入るんですか?」と聞かれる度に「残念ながら日曜の楽しか行けないんですよね……」と答えるしかないこの辛さ。そりゃ私だってさ!楽日以外も!観に行きたいよ!!日替わりでやるアドリブも!出来ることなら全部この目で!推しの芝居を!!観ておきたいよ!!!

 

しかし私が「うわ〜……今月のリリイベ全部土曜日ばっかりじゃねーか……何コレ新手の嫌がらせですか……1ヶ月半も推しの仕事を観られないとか、めっちゃ苦行じゃないですか……」とひとりでクサクサしていましたら、いきなり事態が急変しました。公式がいきなり『特別企画』と銘打って、当該公演における【チケット売上ランキング】という、理解に苦しむ企画の告知をしてきたのです。

これには当然同担も他担も、そりゃもうめちゃくちゃキレまくりました。チケットがなかなか捌けないのを苦肉の策でなんとかしようとしていることは、百歩譲って目を瞑ります。以前観に行った外部の舞台もリピーターには割引をかけたり、特典付けたりしてましたから。ですが売上ランキングという形で購入枚数を競うとなると、チケット自体に付加価値は無く、特典どころか単なる《得点》扱いです。しかもFC先行で購入している分についてはノーカウントとされてる上に、売上が最下位となったキャストの方だけ、感じの悪い《罰ゲーム》とやらがご用意されてるという始末……。

これには私もキレました。キレるというより呆れ果てました。いくら《ゲーム》と銘打たれても、楽しめる訳がありません。某ランキング舞台のように1位になったら見せ場が増えるというのであれば、気持ち的にはまだマシでした。そして私はこの公演を観に行きたくとも千秋楽の1公演しか観られないことに頭を抱え、2時間くらい悩みに悩んで悩みまくったその末に、推しの芝居を観たことのある友人知人、フォロワーの方に『推しの出ている舞台のチケットプレゼントするので、どうか観に来ていただけませんか』と、声がけをする手段に出ました。

自分が舞台を複数公演観に行けないなら、他の誰かに観ていただきたい。出来れば自分のホームでのびのびと芝居をしている推しをしっかり観ていただける方に、舞台のチケットをプレゼントしたい。罰ゲームのことはさておくとして、推しの名義で動員を上げる貢献だけはしておきたい。いつでも芝居を一生懸命頑張る推しと、そして一緒に頑張る劇団キャストの皆に、空席の目立つ観客席を見せたくはない。せめてどこかの1公演でも、満員御礼に出来るなら!

そりゃもう必死に声かけました。こんな形で推しの布教をしてしまうことに自己嫌悪しながら、とにかく声をかけまくりました。なんせ巷じゃ既に運営の悪行と劇団員への同情と同担他担の悲痛な叫びが拡散されて結構な話題となってしまっていたのですから、公演名を告げた瞬間「ああ……例の舞台ですか……」とお察しされたりしましたが、ひたすらお誘いしまくりました。

ですが当時は複雑でした。自分がこうして推しの名義でチケットを買うということが、果たして推しへの応援になるのか?こんな形で自分名義のチケット購入が増えたところで、推しは素直に喜べるのか?そもそもどうしてこうなった?運営の意図はどこにあるんだ?罰ゲームをする目的は何だ?単なる人気の有る無し調査?それともまさか『推しが窮地に立たされた時、火力を上げて何とかしようと動く贔屓がどれだけ居るか』を炙り出そうとしてるのか?……いやむしろ、こんな企画にホイホイされて慌てて舞台のお誘いをかける私の方こそ、色々反省すべきじゃないのか?もっと早くに友達を呼んで座席を埋めるガッツを見せれば、こんなことにはならなかったのでは?もしまたこの先舞台をやる度『なかなかチケットが捌けないからお前らの尻を叩いてやるぜ!』と炎上商法紛いの企画を打ち出されたら、またもやホイホイ従うつもりか?あの劇団は舞台のチケットが捌けないのをファンに対して丸投げするのが慣習なんだと思われるのは、正直言って恥ずかしくないのか?こういう時だけやたら必死に『芝居する推しを観てやってください!』と大騒ぎする自分自身も、十分恥ずべき存在じゃないか?

 推しの仕事を応援したい。推しの頑張りを見届けたい。そう言うことは簡単だけれど、言葉通りに行動するのは難しい。出来る限りのことは出来ても、出来ないことはとことん出来ない。だけども時と場合によっては《出来ないこと》の穴埋めをするのも必要で、同時に覚悟も決めなきゃならない。そして自分がそうしたことをいつかどこかで笑い話に出来るくらいの、心の余裕が無ければならない。

1年近く推し活やってて、ここまで色々考えたのはそういや初めてかもしれません。もしこの企画の結果が本公演の今後の指標になるのだとしたら、期待をされているのは恐らく《劇団のファンが果たしてどれだけ集客力を持っているのか》ということでしょう。しかも必死にならざるを得ない要素をつければまず間違いなく、何とかしようと考えるファンが出てくる筈なのですから。なのに向こうは熱心なファンが既に自分が観る分のチケを手元に所持しているというのに、そのチケットをカウント外とした上で、自分以外の誰かの分を購入してまで『席を埋めろ』と言うのです。……そりゃまあ確かに関係者ばかりで席を埋めても、興行的にはマイナスですわ。ですがこうして半ば無理矢理、それこそ推しを人質に取られた状態において『友達誘って観に来てね!』と言われたところで「はいわかりました!友達誘って観に行きますね!」とすぐに動けるファンがどれだけ、今の時点で居るかって話よ。

厳しいことを言うようですが、推しも含めて劇団のファンは若年層がその過半数を占めているので、運営の望む集客力は正直言って望めません。友達を舞台に誘うというのは《自腹を切ってその子の分のチケットを買う》ということですから、金銭的に余裕が無ければまず無理でしょう。自分の分を捻出するのも決してラクではない若い子に、人の分までチケット代を出せる力があるのでしょうか?だからといって誘った相手にチケット代を出してもらうというのも変だし、自分の推しが出ているでもなく別に興味がある訳でもない、そんな舞台のチケを自腹で買えと言われてウキウキ芝居を観に行く人などは、多分恐らくいやしません。もしも私が逆の立場にいたならば、まず間違いなく「ごめんなさい……ちょっとその日は都合が悪くて……」と言葉を濁してお断りすると思います。

 

そう、推し活=慈善事業じゃないんだよ!!

見て見ぬフリは出来そうもないから今回だけは必死になるけど、次はもう無い!もうするもんか!!!絶対に!!!

 

そして私がプンスコしながら運営に宛てて《今回の企画はどうかと思う。お願いだから見直してくれ》とご意見メールを切々と綴って送る間に「企画はどうあれ舞台自体は面白そうだし、推しさんがどんな芝居をするのか興味もあるから、自分できちんとチケ代出して観に行きますよ!」とお声がけした方々からの返事が届きましたので、ひとりひとりにお礼を述べて観劇希望の日程を伺い、ランキング用のチケット販売フォームに飛んで、推しの名義で一気にチケット購入しました。結構な額にはなりましたけれど、推しの芝居を観て頂くのに貴重な時間を割いてくださる訳ですし、それを思えば安いもんです。……出来ればこういう事情を抜きで友人知人をお誘い出来たら、それが1番穏やかだったんですけどね……。

 

ちなみにこの後、例の企画は結局《中止》となりました。正しく言えば中止では無く、施行内容の見直しです。チケット売上ランキング自体はそのままでしたが、巷で物議を大いにかもした、あの罰ゲームの施行は取り下げられました。運営曰く「今回の企画に対するご意見が予想以上に寄せられたことを真摯に受けて、施行内容の見直しをした」そうなので、その点については深く感謝をいたします。

だけども次はありません。本公演の動員数を上げる為にと打ち出されている企画であるのはわかっちゃいますし、それが勿論ビジネス的な苦肉の策とも充分わかっちゃいますけど、わかっちゃいるからそれこそ余計、ついていくのがキツいです。折角外部の舞台で推しの存在を知ってくれ、公演の告知で興味を持って「観に行こうかな」と言っていた方が結構居たのに、あの騒動で「なんか怖い」とドン引きをされてしまったことや、そして前から公演の度に友達を誘っていらした方すら「さすがに今回のやり方は酷い。恥ずかしくって友達呼べない」と嘆き混じりにボヤいていたのは、果たして真摯に受け止められているのでしょうか。今1番に獲得したい新規のファンをまんまと逃しただけでは無くて、今までずっと応援してきた既存のファンまで蔑ろにして、そこから何を得られたのでしょうか。

これは私的ないち意見ですが、結局のところ火種を撒いて騒ぎを起こし、慌てて火消しに奔走してもその後始末がきちんとなされていなければ、ただいたずらに草ひとつ生えない焼け野原だけを作ったのみに過ぎません。お願いですからその焼け野原に劇団の皆をほっぽり出して「あとは自分らで頑張れや( ^ω^ )」とは、どうかしないでいただきたいです。これからどんどん舞台を通じて成長していくメンバーの為にも、そんな彼らを応援している方の為にも。

 

ちなみにこれは余談ですけど、間も無く始まる次の公演についての告知を推しが先日ツイートすると、今までずっと「行けないけれど応援してます!」とリプライしていたファンの子達が「初めて舞台を観に行きます!今からめっちゃ楽しみです!」と言っていたので、あの騒動をきっかけにして《1度舞台を観に行ってみよう》と思った方が、どうやら増えつつあるようでした。応援の形は人それぞれで事情によっては当然限りもありますけれど、この先のことが少しずつでも良い方向へと進んで行けたらいいんだけどな、と私は願ってやみません。

愛を乞う人・後編

そんなこんなで後編です。

 

なんとか休みをもぎ取った初日、チケットを手に会場へ行くとロビーには既に人が大挙し、ゲネプロを観た関係者の方がぞろぞろロビーに出て来ていました。

それから暫し待つこと数分。先行物販がスタートし、パンフやブロマを購入後、ガチャ列に並んでひたすら推しの缶バとアクキーが出るまで粘り、それが終わると今度はすぐさまトレーディング系アイテムの仕分けに勤しみ……観劇前からもうぐったりです。何しろ私はこういった系の自引きが不得手で、トレブロを積んでもどういう訳だか推しだけ全く出ないというのもザラにあります。しかも今回は出演キャストが2桁に登る大所帯ですから、トレードに頼って回収するしか他ありません。ひとまず手持ちのグッズの画像とそれから詳細、加えて「求)推し。買取もいたします」とツイートをして、ロビー付近をうろうろすると……

 

「お探しの推しくんあります!」

「こちらの推しくん、買取可能でしょうか?」

 

わ〜〜〜!!めっちゃ集まってきたよ推し〜〜!!ありがてえ〜〜〜!!!!

 

どんどん手元に集まってくる推し。更にトレード風景を見た周囲の方から「私も推しくん持ってます!」「よかったらこちらの推しくんいかがですか?」と声をかけられ、気がつくと手元に大量の推しが。なお余談ですがこれですっかり推し回収マンと認知を貰ってしまっていたのか、このあと現場に入るたんびに推しのグッズを色んな方からお譲りさせていただきました。その節は皆様、本当にありがとうございました。

 

しかしこのことで嫌という程痛感しました。推しの認知はまだまだ低い。推しが出ていた例の舞台の名前を出しても「ゲームの名前は知っているけど、舞台があったのは知らなかった」と仰る方が殆どの状態。となると逆にこの舞台を観て、気に留めて貰えるかもしれない。推しがどういう役柄なのかはわからないけども、どうかそこそこ目立つ場面がありますように。と、当時の私はハラハラしながら座席について、板の上に立つ推しの姿をガン見していた思い出があります。

ざっくりとした感想を述べると、予想したより面白かったです。物語自体も破天荒ながらまとまりはあって終始笑いが起こってましたし、歌やダンスの見せ場もあるのでそこは大いに盛り上がりましたし、なんだかんだで楽しかったです。

ただ、例のランキング発表の場面に移るとさすがに笑っていられませんでした。上位のキャストが前方に並び、ランクの外れたキャストがその後方に下がった瞬間、推しは一瞬微妙な顔をしてました。レビューが始まりフィナーレを迎えるその間にはいつも通りに戻ってましたが、あの表情をした背景を思うと、なかなか複雑なものがあります。

この日が来るまで必死に覚えた歌も踊りも、それからセリフもアクションも、 その日の順位の結果によっては観せられないまま終わります。ファンの投じた応援票が充分な数に達しなければ、稽古の成果をお披露目出来るチャンスは推しに巡って来ないのです。しかもその票に天井は無く、土壇場でいきなりドンデン返しが来るかもしれない可能性だってある訳で。つまりは推しが何とかキープをしている《1位》の回も、場合によっては突然パアになることだってある訳で。

ここで漸く私は以前友人の言った『推しにトップを獲らせたいなら話は別だ』の意味を知り、そして同時に観客席からペンラを振って推しの姿を見届けるだけでは何の足しにもなりゃしないことも、はっきりしっかり理解しました。恐らくそれは会場に来ている全ての人もおんなじように考えていて、むしろそういう覚悟なんかはとっくのとうに決めてきていて、板の上に立つ自分の推しを観に来てるんだと思います。何とも甘い考えでした。推しはまだまだ認知が低く、推しを目当てに来ている人も、そうそう多くはないというのに!

 

そうこうするうちにカテコが終わり、ぞろぞろと人が群れなすロビーに出てみると、入り口脇ではリピーター特典ブロマイド付きのチケット販売が始まっていて、シートマップと睨めっこしながら吟味にいそしむ女子達がちらほら集まりつつありました。

舞台はまだまだ続きます。そして同時に《推しが上位に登るチャンス》もこの先まだまだ残されています。私はすぐさまその列に並び、行けるところを片っ端からオーダーしました。席種は問わず、ただひたすらに《自分の推しに頑張って欲しい》その一心で、初めて追いチケなるものをしました。筋金入りの若俳オタクの方からすれば今更感が満載ですが、そこは大目に見て頂けたら幸いです。

 

しかし当時を振り返ってみると、楽しかったこともありましたけれど、精神的にキツかったこともそれ以上にはありました。グッズをトレードしてくれた方からは推しが1位に輝いたことやレビューの歌唱をお褒めいただきもしましたし、舞台の歴代シリーズを網羅している方からは舞台の見どころをレクチャーしてもいただきましたし、常にぼっちで行動していた私でしたが、皆様のお陰で観劇前のひと時を、非常に楽しく過ごせていました。ですがひとたび舞台が終わっておもむろに推しの呟きを見ると、そこで一気に気が沈みました。

「今日も上位に入れなかった(-_-)」

「次は必ずてっぺんに立つ!」

「まだまだ圏外の日が多い……皆様どうか、応援よろしくお願いします!」

いや呟くのは構わないんですよ。自分が上位に入れなかった悔しさや、今の順位を少しでも上にあげていきたい気持ちがあるのはわかりますから。でも今回の舞台を観に来るターゲットの層、すなわち《自分の仕事にそれ相応の対価を払い、応援の気持ちをきちんと形にしてくれるファン》に対してその情熱が届いてなければ「観に行けないけど応援してます」「上位になるよう祈っています」といった類の、形にならない応援だけが集まるのみです。厳しいことを言うようですが、言葉だけでは到底自分の《求める結果》は実りません。仮に推しへのリプライの数で順位が上がっていくのであれば、今頃とっくにV2、3は勝ち獲れています。でも実際は公演終了間近になっても順位に大きな変動はなく、後半を迎えて私がずっと温存していたポイントを一気に貢いだ公演においても、順位は依然、そのままでした。1度は1位を勝ち獲ったものの、それから以降はありませんでした。

 今のご時世、観客動員を増やす為には手段を選んでいられません。リピーターへの特典しかり、アフタートークやハイタッチ会の開催しかり、後出しサービスをふんだんに用いて、チケットを売るべく必死になってる今日この頃です。ですがそういうサービスを出しても、食いついてくるのはほぼ大半が「元々観劇予定があって、当該公演のチケットをまだ所持していない」人ではないかと思います。

果たしてその時主宰者側の必死さを汲んでチケットを増やす熱心なファンが、推しには何人いるのでしょうか。そして舞台のレポを上げるといつも決まって「観に行けないけど応援してるね!」と送られてくるリプライの数より「今度観に行くよ!楽しみにしてる!」と送られてくるリプライの数を増やす為にはどうすればいいか、推しはそろそろ本腰入れて考えるべきではないのでしょうか。板の上に立つ自分の姿を多くのファンに観に来て欲しいと願うのであれば、そういう姿勢を芝居を通じて《魅せて》いかねばならないんじゃないかと、そして観に来た自分のファンへのフィードバックをきちんと次へと繋げなければならないんじゃないかと、例の舞台が終わって半年経った今となっても、私はモヤモヤしています。

 

……と、そんな思い出をつらつら書き連ねているうちに、例の舞台の新作公演が先日ついに発表されて、只今めちゃくちゃ動揺してます。キャスト発表はまだまだ先になるようですが、恐らく推しは出演するかと思います。その日が来るのを想像するだけで胃液が口から出て来そうですが、ひとまず今日も推しの芝居を観に行ってきます。

愛を乞う人・前編

タイトルを見ると何だかとっても文学的な感じがしますが、これは暗喩を兼ねております。

 

舞台の上から愛を乞う。歌って踊ってただひたすらに、愛が欲しいと切実に叫ぶ。乞う側はもちろん乞われる側も、なにかと心が擦り減ってゆく、悪名高き地獄の舞台。

わかる方には恐らくわかる、そんな舞台の忘備録です。

 

私が推しの出演舞台にせっせと通い始めることになるのは今年の1月からなのですが、何故かというと実はこの月、とある舞台に推しが出ていたからなのです。作品名は伏せますが、読み進めればだいたいわかると思います。

ちなみに私は当該舞台に関する知識を全く持たないポンコツなオタクでしたので、推しの出演が決まったことを知った当時は「ランキングとかよくわかんないけど、某くん出るから1回くらいは観に行こうかな」と、軽い気持ちで考えていました。なにせ本命ゲームの2.5次元舞台に関する新展開の情報は無く、所属劇団の本公演もそうそうしょっちゅうある訳で無い為、ちょうど身体が空いていたのもありました。ですがそのことを呟いた途端、舞台に詳しい旧友のひとりが、リプライを飛ばしてきたのです。

「あれはやめとけ。諭吉が飛ぶ」

確かに諭吉は飛ぶでしょう。公式サイトを見る限り、1番高いクラスのシートで1万以上はいくのですから。しかし友人は続けます。

「ただ観に行くだけなら別にいいけど、推しにトップを獲らせる為に観に行くんなら、話は別になるからね。何しろガチで札束使って殴り合う世界なんだから」

エエエエエエエ何ソレーーーーー!!!ランキングの為に札束使って殴り合うとか、ちょっと正直よくわからんよ!!!!!

ここで一気に私の中で当該舞台を観に行く気持ちは急降下しました。そもそも舞台のプロデューサーが個人的には嫌いな部類に入るのもあり、このプロデューサーがそういえば以前、別口のイベで「自担に人気が無いことを目の当たりにしたファンがそこからどれだけガッツを見せるか、それがある意味見ものでもある(超意訳)」といった発言をしていたのを見て、更に嫌悪が募ったというのもありました。役者の価値を推し量る上で、確かにそういう《贔屓の火力》が物差しになるのは理解してます。ただその格差を見せ物にされて、果たして舞台を楽しめるのか?その状況で板の上に立つ推しを観て、心の底から『いいものを観た』と言えるのか?

そりゃもうめちゃくちゃ悩みましたよ。推しの仕事は応援したいし、正直に言や芝居をしている推しをとにかく観に行きたい。しかし舞台を観に行った後で「聞きしにまさるクソ舞台だったわ!」と嫌な気持ちになるんだったら、観に行くべきではないとも思いましたし。何しろ私のTLでは「◯◯くんが例の舞台に出るんだってさ」「なんか可哀想」「せめて仕事は選んで欲しかったな〜」という呟きが、そりゃもうわんさと出ていたのですから。

今のご時世、時間と資金のやりくりをしながらせっせと舞台を観に行かなくても、推しの仕事は見届けられます。SNSをチェックさえすれば写真やレポが見られますから、家にいながら「推しくん頑張れ〜」と呟くだけで応援も出来ます。ブロマやパンフや円盤にしたって、通販を使えば手に入ります。

でもこの舞台に限っては、その応援はあんまり足しにはならないようです。チケットを買って会場に通い、ブロマやパンフを買い求め、そうしてせっせとはたいた資金を《応援》ポイントに還元し、見える形に変えていかねばダメみたいです。

 

まあ結局のところ「観に行かない」という選択肢など、はなからありはしなかったのですが。

 

今にして思えばその月たまたま貰える休みが多かったのと、マチソワの日が運良く休みに被ってたのがラッキーでした。とはいえ休みも限りがあるので、私はひとまず貰える休みの全てを舞台につぎ込むことにし、主宰先行でまず1枚、それから一般でとりあえず3枚チケットを押さえ、公式サイトのランキング更新を毎週つぶさにチェックをしながら、所持チケットに付帯しているポイントと物販利用で付帯してくるポイントと、公式サイトへのログインポイント、クイズに答えて貰えるポイント、更には特番視聴で貰えるポイントを数え、そのポイントをどの公演に放出するのが1番ベストか、毎晩必死に考えていました。

ちなみに当時、推しはなんとか1公演だけ《1位》に名前が挙がっていました。あとはちらっと10位以内に入っていたりはしていましたが、大半はほぼ圏外ばかり。それもそのはず、この舞台に立つキャストの方は2.5次元舞台で既に名前が売れてる方ばっかりで、出演作からして有名ですから、かなりのファンがついてます。対して推しは芸歴が浅く、名前もそこまで知られてません。熱心なファンが声がけをして推しに1位を獲らせる企画を立ててなければ、恐らく名前が挙がることなどなかったでしょう。幸いそうした有志の方の行動のお陰で推しは1位をキープし続け、そして舞台は遂に初日を迎えることとなりました。

 

ここで一旦、エントリーを分けます。

なお後編は当該舞台のざっくりとした感想と、それから私の推しに対する愚痴めいたものをつらつら綴ると思いますので、ご注意ください。

 

推しの挙動がクソ可愛い話

いきなり何を言い出すんだと思われるかもしれないが、私の推しは挙動がいちいちクソ可愛い。

とにかく可愛い。やたらと可愛い。いい歳をした大の大人である筈なのに、やることなすことクソ可愛い過ぎて心底困る。更には顔までクソ可愛いので途方にくれる。いうなればそう、可愛い&可愛いの容赦無い暴力だ。私の推し活が日々これ充実しているのも、推しの挙動が可愛いからに他ならない。

という訳で今回は、私の主観や思い込みなどがふんだんに入った【推しの挙動が可愛くてツラい2017〜上半期編】をお送りしたいと思います。

 

【緊張するとめんたまおもくそかっ開くのがクソ可愛い】

推しはどうやら人見知り+陰キャ(自称)の気質があるからなのか、外部の現場に行くと大概めんたま開いて突っ立ってました。最近漸く柔らかな顔をするようになったと思いますが、1年前の推しにとっては初めてとなる大きな仕事(=私が初めて推しを知ることとなった2.5次元舞台)をしていた頃の記事などを見ると、緊張の為か殆どめんたまかっ開いてる上、唇を固く結んでいるのでなんだか今にも泣き出しそうな顔をしてます。なので当時はそういう彼の写真を見る度「この子ホントに大丈夫かよ……」とめたくそ不安を覚えましたが、実際舞台を観に行ってみると終始めんたま開いていたのでやっぱり不安になりました。が、今ではそれがクソ可愛いです。

 

【真面目なことを言おうとすると高確率でだだ滑りするのがクソ可愛い】

推しトークが得意ではないのか、リリイベやカテコで喋り出しますと観客席から何故か笑いが起こります。理由としては

・日本語が微妙におかしい

・話す内容がズレている

というのが挙げられますが、実際初めて外部の大きな舞台(=例の2.5次元舞台)に出演した時、楽日のカテコで「この役を愛している自分の気持ちがファンの皆様に受け入れられない筈は無い!と信じて、僕は今日!このステージに!立ち上がっています!」と声高らかに言い放ち、客席を一気にポカーンとさせてしまったことは今でも記憶に新しいです。なお同舞台の円盤リリイベにおいてもとんちんかんなトークを披露し、司会進行役の共演者様から「アンタちょっと大丈夫!?」と突っ込まれ、最終的にはほぼ全員から弄られてました。

ちなみに推しは以前に某ランキング舞台への出演を果たしているのですけど、劇中において観客を相手にイケてるトークを炸裂させる見せ場でもやはり盛大にダダ滑りをし、自炊の腕が壊滅的に酷すぎるあまりSNSが大炎上した、という自らの恥部を暴露してしまった実績があります。出演者の皆にはウケていたので、結果的にはオーライなのかもしれませんけど。

 

【自分の演じた役が今でも大好きすぎるのクソ可愛い】

推しは時々ツイキャスだったりLINE Liveだったりshow roomだったりでトークをしたり歌を歌ったりしてるのですが、舞台の仕事の話の時は高確率で「例の2.5次元舞台」についてのことを語ります。推しの芸歴はまだまだ2年と短いのですが、その中で自分のターニングポイントとなったのは『1年前にその作品でA(=キャラ名)を演らせてもらったこと』らしいので、この作品にもそれからAにも並々ならぬ愛情というか、執着がやはりあるのでしょう。何しろ自分の演じた役は「他の誰にも渡したくない。絶対に」と言い切ってしまうくらいですから、A最推しの私としてはもうそれだけでクソ有り難くて悶絶します。

いやもうホントにAが大好き過ぎるんですよ。接触現場でスマホのケースにくっついているAのラバストとAに扮した推しのアクキーを見ればめんたまおもくそ全開にして喜ぶわ、そのラバストをわざわざ掴んで隣に立ってる他メンバーに「この人凄いんだよ!ホラA!Aだよ!」とアピールし、恐らくAを全く知らないその子が「これ誰?」と首を傾げているのに対して「オレだよオレ!オレAだし!」と主張はするし、個人企画のファンミーティングで販売されたチェキにメッセを書き込む際にも『ありがとう!』とだけ書いていたところを、私が推しをAごと激しく推しているのを彼はぼんやり覚えていたのか、にこにこしながら『Aの決め台詞』を書き込んでくれたし、所属劇団の本公演をPRするべく行われていた配信においてもAの話をしている時はめちゃくちゃ熱く語っていたし、最終的にはAのぬいぐるみを持ち出した挙句、Aと仲良く会話を交わす一面までも見せるという……クソ可愛い過ぎて訳わかりません……

 

ちなみに推しは現場ではあまり「次に控える外部の現場」についてのアピールを積極的にはしないのですが(してもせいぜい、こちらが言った『次回の公演も楽しみにしてますね』だったり『来週の◯◯行くので頑張って下さいね』だったりに対して『次も絶対来て下さいね!』か『待ってます!』と返してくれる、その程度)先日あった本公演を観劇した際、公演初日に【例の2.5次元舞台のライブ】の詳細告知が漸く出、それを受けてか千秋楽の日、初めて推しから「今度◯◯のライブもあるので、もしよかったら観に来て下さい」と照れ臭そうに頭をぽりぽりしながらライブのダイマをされました。

これにはびっくりしちゃいましたね。ライブは大分先のことだし、チケットだってこの時点では発売されてもいないですから「ライブ行きます!」という宣言はしないつもりでいたその矢先、まさかの先手を打たれたという。きっと恐らく彼なりに『僕またAを演りますんで!一生懸命頑張りますんで!宜しくお願いします!』的なアピールも含めてそう言ったんだと思うのですが、観に来て欲しいと面と向かって言われるってのはアレですね……有難いですね本当に……(なお「勿論行きますよ!2都市の公演、行けるところは全公演!」とサムアップしながら返したところ、推しは「やったー!」とガッツポーズして喜んでました……だめだやっぱりクソ可愛い……)

 

そんなこんなで私は今日も「推しの挙動がクソ可愛いすぎる」と呟きながら生きてます。

ありがとう推し。これからもどうかあざと可愛く、役者の仕事を頑張って下さい。