人生、難あり

若俳推し活備忘録

推しの演じたキャラクターの話・その1

私が推しを追っかけ始めて現在に至る、去年の秋から今年の冬の1年間で観に行ったもの(※これから観に行くものも含めて)に限った集計になりますが、推しの名前がクレジットに載った出演作は14本、そしてその中で演じたキャラは重複しているものを除くと11キャラ、となってます。

演じた役を《キャラ》と呼ぶのは私的にしっくり来ないのですが、推しが自分の演じた役を《キャラ》と呼ぶので、便宜上ソレに合わせます。あらかじめご了承ください。

 

そして本題。

推しはあんまり出演舞台が差し迫ってる期間以外に【自分が演じた(演じる)キャラ】についてをアピールしたり回顧したりはしないのですが、時々いきなり唐突に『やっぱり◯◯大好きだ!』などと、ある特定のキャラを演じたことへのアピールをしたり、回顧をしたりすることがあります。半年前には『板の上での自分の芝居をDVDで見返してみてます』とのツイートと共に、直近に出演していた舞台の写真と、それより前に出演していた舞台(過去エントリーで長々と語った某舞台)の写真と、推しにとっては思い出深い舞台の写真を作品名のタグと一緒にそれぞれアップしてくれて、その作品がめちゃくちゃ好きな人からすれば、そりゃもうめちゃくちゃ有り難すぎるものでした。……が、その3作品に共通点はまるで無く、つい数日前に出演していた舞台についてはひとことも触れていなかったので「?なにゆえソレをチョイスした???」と当時は不思議に思いましたが、そのツイートをした日の前に観に行った舞台でその3作品に対するくっっっっそ長文の感想&賛辞&感謝の気持ちをしたためまくったファンレとプレをそういやプレボに入れていたので、もしかしたらばもしかしますと、ファンレを読んでその3作品を見返してみようと思ったのかもしれません。確かめる術はありませんけども。

 

そういう訳で今回は、推しが『今でも自分の心に残る、大好きなキャラクター達』と呼んだその3作品の《キャラ》についてをお話したいと思います。個人的主観と独断と偏見と執着だらけの長文ならびに分割形式のエントリーですが、暇潰しにでも見ていただけたら幸いです。

 

2.5次元舞台/キャラA】

ツリ眉タレ目でデコ出しヘア(?)の、出で立ちがそこそこ特徴的(?)な、いわゆるイケメンキャラクター。日本史に出てくる有名な偉人が大元のモデルになってはいますが、時代考証・キャラ設定は見事なまでにガン無視(※いい意味で)です。原作人気はなかなか高く、準主人公ポジに位置するキャラでもあります為に、新作舞台の発表と共にキャス変(※この作品からA役として推しがカンパニーに参加しました)までもが発表された当時はかなり、原作ファンも舞台のファンも朝から晩まで大騒ぎでした……。

 

Aの魅力は《口は悪いが仲間想いで面倒見も良く、クールに見えて熱血漢な苦労人》なところなのですが、推しが舞台で演じたAは《反抗期中の中学生》だと、上演当時はあちらこちらでいい意味も含め、悪い意味でも言われていました。実際私も最推しキャラがAである為、全体的に幼さの残る推しの演技にかなり違和感があったのですが、想像以上の歌唱力の高さと、そして真っ直ぐに向いた視線の強さに「まだ荒削りかもしれないけれど、この人のAも確かにAだ」と、舞台が終わったアフターの席で酒を片手に語っていたのをぼんやりながら覚えています。

原作のAは幼少の頃に両親を亡くし、更にその後、親代わりとして育ててくれた身内の男が政治的理由で自分を庇って自死してしまった経緯があるので、肉体的にも精神的にも自立するのを早くに周りに促されてしまい、幼少の頃からAを見てきた幼馴染の兄貴分&Aがとにかく尊敬している恩師のみには絶対的な信頼を寄せ、それ以外とは徹底的に壁を作ってしまうのですが、しかし仲間と行動を共にし、仲間と絆を深めていくうち、年相応な子供っぽさがあることや実はとことん情には厚い性格であるのを、物語の中でだんだん見せていくようになります。

が、新作の舞台はAが仲間と一旦別れて別行動をしていることが前提となってスタートするので、とある事件に立ち向かう為に再び仲間と結集したり、途中で己のアイデンティティを見失ったり、それを経てまた仲間との絆を深めたりする過程がメインとなってます。その為初演のAには色濃く描かれていた《精神的な成長の変化》と《仲間に対するツンデレっぷり》の芝居が推しの演じたAにはあまり無く、そこが正直勿体無いとは思いましたが、逆に周りの超個性的キャラに終始何かと振り回されてアタフタとする推しの姿が【もしも不遇を味わうこと無く真っ直ぐ素直に育っていたら、年相応のやんちゃさを残した青年になっていたかもしれない】Aの姿に見えてきたので、舞台の上でキャストに弄られ「勘弁してくれぇ……」と思わず素を見せボヤいたりする推しや、無茶振りをされて必死にそれに応えようとするも、まんまと躱され目をまんまるくして愕然とする推しを観て『完全にオモチャにされとるやないかい!』とゲラゲラ笑って楽しみながら、推しの演技は確かにまだまだ荒削りかもしれないけれど、様々な意味で推しはしっかり“推しならではの新しいA”を、その身で舞台に生み出したのだと感じ入りました。

正直言えば原作通りのAではないかもしれません。クールぶっても実はなにげにツンデレなAこそ最&高!だと思う方には解釈違いのAだと言われるかもしれません。が、周りを固める大先輩方に負けじと必死に踏ん張りながら、一生懸命声を張り上げ立ち上がっていた推しの姿はまごうことなく《A》でした。Aの衣装を着ているだけのイケメンではなく、Aとして生きた役者の推しが、そこに存在してました。

 

推しが時々配信の場で「あの時Aを演らせていただいたことが、役者としてのターニングポイントになりました」と言うように、その後決まった舞台の仕事(これは“その2”でお話します)も推しの特技を買われたものでありましたし、来年もまた同シリーズの舞台に出るだろうことが決まっています。A役が決まった当時はとにかく『原作のファンの方々の期待を裏切ることのないようにしたい』『自分の“A”が受け入れられるように頑張ります』と言っていた推しも、今年再びまたAとして舞台の上に立ち上がることが決まった今は『原作のファンの皆様方にも喜んでいただけるようなAを見せられると思います』と、頼もしいことを言えるようにもなりました。

Aを演じる推しを観るのはこれで最後(仮)になるかもしれないのですけれど「なんだかんだでやっぱりAが1番大好きなんだよな〜」と思わせてくれるその生き様を、そして気合いを舞台の上で観せてもらえることを今からめっちゃ期待して、その日が来るのを待ってます。

 

割ともうすぐの話ですけど……

オタクの鑑になりたかった話

唐突ですが、私は推しの舞台やイベで接触を受ける機会が2桁近くはあったというにもかかわらず、自分の名前を推しには一切名乗らないまま、ひっそり推し活しています。

理由は特にありません。が、強いて理由を挙げるとしたら『名前も顔もわからないけれど、いつもどこかで見ているオタク』になりたかったのだと思います。某有名な演劇漫画に出てくる《オタクの鑑》のあの人のような、そういうオタクになれたらいいな、と。

 

舞台が終わって推しと一緒にチェキ撮る時に「いつもホントにありがとうございます!」とにこやかな笑顔で言われても、久々に入ったリリイベの現場で「お久し振りです!」と爽やかな笑顔で言われても、とにかく名前は名乗らないままひたすら舞台の感想を述べ、去り際にひとこと「次の舞台も楽しみにしてます」と告げたらさっさと会場を出て、さっさと帰路に着く私。なので推しから特に何かを言われることもあまり無く、ただなんとなく『自分がかつて演じたキャラを未だに好きでいるらしい人』とはぼんやり覚えているようなので、それについての話を振られることならあった。あとはせいぜいLINEライブでコメントを拾ってもらった時に、名前をちらっと呼ばれた程度。同担の方は「推しくんリプライきちんと見てるし、舞台を観に来る常連の子なら、名前も顔も結構しっかり覚えているよ」と言うけれど、正直私は自分の周りの同担さんと比べれば、毎回律儀にリプライ飛ばす訳でもない。舞台も基本は「席に座って観られればいい」と思っているので最前ガッツも決め込まない。特典会でチェキ券積んでる訳でも無いし、リリイベにしても仕事の都合で行けなかった日が殆どなので、その状態で顔と名前が一致などする訳が無い。なので私は同担さんがキャッキャウフフと「推しくんにフラスタのお礼言われた♡」「推しくんにネイル褒めて貰えた♡」「こないだのライブでサイリウムいっぱい持っていたよね!って言われた♡」と盛り上がってるのを聞きながら『推しに名前を覚えてもらってその上声までかけられるとか、別世界すぎてわけわからんわ……』と、目をまんまるくしてフンフン頷くだけでした。

 多分私も名前を名乗れば「あっ」と気付いてもらえるだろうと思います。ですがそれから名前と顔をぼんやり覚えてもらえたとしても、所詮は舞台を観に来るだけしか出来ないただのクソオタクです。推しの仕事がこの目で観られりゃ充分過ぎるクソオタクなので、リプライも常に舞台の話一辺倒。推しが時々髪の毛切った!映画観に行った!ラーメン食べた!と日常に絡むツイートをしても、そこには一切触れないというクソオタク振り。ファンレを書いてもひたすら舞台の感想と、演じた役への大賛辞のみ。それから毎回書いている、私が推しを初めて知ったきっかけとなった、私が1番今でも好きな《A》というキャラを演じてくれたことに対する大感謝。いわゆる古参の、それこそ推しが劇団員になった頃からずっと推してる同担さんと比べれば、熱量はもちろん火力にしても、全然話になりませんでしょう。

ですが一応クソオタクなりに、推しに対する応援姿勢は強火のつもりで頑張っています。過去エントリーでもちょろっと触れておりますが、出演舞台(特に外部)に関する仕事に向けてでしたら、そこそこガッツは見せられています。なにせこちらは運営による罰ゲーム付きのチケット売上ランキング企画がトラウマになった経緯があるので、推しの舞台で【即売会】という3文字が出ると、必死になって友人各位にLINEを送り、チケットを取ってプレゼントをし、余裕があれば当該舞台の円盤やパンフもプレゼントする、アクティブなオタクにならざるをえません。そして舞台に招待した子が『推しくんの演じたキャラがハマり役過ぎて最高でした!』『あんなに伸び伸び芝居をしてる推しくんを観るのは新鮮でした!』と送ってくれた感想の言葉と共にしれっと「次の舞台も友達を連れて観に行きますね」とファンレに書いたり、そして時には接触現場で、さらっと告げたりしています。《演じた役から自分の芝居に興味を持ってくださった方が、他の舞台も観に来てくれたら嬉しいです》と推しが言うなら、出来る限りは協力したい!と、クソオタクなりに思うのです。

ちなみに推しには1度めちゃくちゃ謝られましたが(舞台に誘った友人にあげるプレゼント用で円盤ならびにパンフを大量購入したことがチェキ券の枚数でバレた為)「応援させていただけるだけ私は全然有難いですし、友達皆喜んでましたし、そこのところは大丈夫ですよ!」とフォローを入れて、すたこらさっさと立ち去りました。 どうしてあの時謝られたかは正直今でも謎ですが、そういうオタクに慣れてなかっただけだったのかもしれません。

 

ところが先月、とある現場で遂に素性がバレました。

正しく言えばバレたというより、私が勝手に「いくらマメさに定評のある推しとはいえど、さすがにオタクの顔と名前とオタクの推し活内容までは一致しないだろアッハッハ!」と思っていたのが、推しの口からおもくそ訂正されました。そして推しにはあのことだったりそのことだったり、今までのことをめちゃくちゃ真摯に労われた上、初めて過去のあれこれも含めたお礼を一気に述べられました……

 

アッハイそうですソレ私です……なんか色々すいませんホント……と、笑いもせずに真面目に話す推しに対して「覚えてくれててめっちゃ嬉しい!」とクソなオタクはキャッキャウフフと沸き上がるより、予想だにしない神対応にアワアワと目を泳がせながら、ろくな返しが出来ない自分がとにかくあれこれ申し訳なくて、ひたすら推しに頭を下げて下げまくりました。はたから見たら相当異様な光景だったと思います。最終的には剥がしの合図が出たその瞬間、カニ走りのようにその場をダッシュで逃げ出したのですから……

 

オタクの鑑は遠いです。

来年はせめて、推しに向かって頭を下げる回数を極力減らせますように、心がけたいと思います。

1番好きな舞台の話・後編

※こちらのブログは前エントリーの前編・中編の続きになります。

※レポというより大筋の話に感想を交えて書き綴っているものなので、実際の台詞とかなり異なる部分があります。ご了承ください。 

※前編・中編で『副社長』と表記していた役が『専務』の間違いだったことに今気付きました。

 

 

場面は変わり、あの3人のデビューライブが間近に迫ったところに話は進みます。社長とそれから専務のふたりが事務所の一室(恐らく社長室)に揃ったところへマネージャーが真面目な顔して乗り込んで来たその瞬間、空気は一気に凍りつきました。専務は彼に向かって厭味ったらしく「もうすぐだよなあ?デビューライブ!社長共々、楽しみにしてるよ〜?」と言いますが、マネージャーはそんな専務をキッとした目で睨め付けると「やめろ、ニノ」と《アイドル時代のニックネーム》で彼の発言を諌めます(※突然のバレで申し訳ありませんが、専務の名前は『二宮』といいます)

実は専務、かつてはこちらのマネージャーと同じくアイドルだった過去があり、しかも一緒に活動していた《あのグループ》のメンバーだった、という訳です(ちなみにここのシーンが始まる直前、ことごとく空気の読めない推しによって専務=マネージャーの同期、というのは既にバラされています)当然専務は「……その呼び方、やめろ」と静かに怒りを露わにしますが、マネージャーは怯むことなく「俺から見ればこんなのただの、自傷行為に過ぎません。頼むからもう、あいつらに昔の俺たち重ねて、痛めつけるのやめましょうよ!俺たち恥もかいたけど、それでもやるだけやったでしょう!そろそろ前を向きましょうよ!」と、思いの丈をぶつけます。そして黙ってそのやり取りをじっと見ていた社長にも、彼は「ねえそうでしょう、社長……いや、チーフマネージャー!」と言い、そして「あなたが情熱を注いだかつての俺たちグループは、もう30代も半ばなんですよ!叶わなかった願いを、そろそろ受け入れましょうよ!」と悲痛な叫びをぶつけます。

しかし社長は顔色ひとつ変えることなく「確かにお前の言う通り、オレらのやってることは自傷行為だ」とあっさり肯定してしまいます。昔の自分が味合わされた、上層部からの損切りという非情な仕打ち。強制的に握り潰されてしまった、彼らと共に追っていた夢。社長と専務が不遇にめげず抗おうとする3人のことを「目障りだ」と言い、よってたかって彼らの夢を潰しにかかってくるのは、このふたりだけが何年経っても未だにずっと《夢を叶えられなかった》ことについてを引きずり続け、現実という圧に打ちひしがれるアイドルの末路を見ることによって「誰であっても結果は同じ。こうなることは決まってたんだ」「だからあの時ああなったのも結局のところ不可抗力で、仕方のないことだったんだ」と、無理矢理納得させているからなんだろうかと思えます。そしてマネージャーから「こんなやり方、いびつすぎます!他にももっと、うまいやり方がある筈でしょうが!」と反論されて「これ以外思いつかねえんだよ!!」と思わず激昂する社長……チーフマネージャーから社長のポストに就いても今尚後悔に苛まれ続け、やられたことをやり返すような復讐劇を何度も何度も繰り返しても、気持ちが全く晴れないどころかむしろ自ら心の傷を広げていってしまっているのが、このひとことに表されていました。

そして専務も彼と同じく、昔見ていた《夢》に囚われ続けています。いつになったら前を見るんだ!とかつての仲間に叱責された専務がふ、と遠い目をして「夢に見なくなったら、かな〜?」とぽつりと呟き返すシーンは何回観てもグサグサ来ます。

「お前は見ないの?ステージの上から大勢の客が埋まった観客席を見て、デッカいハコを揺らす夢。……俺はまだ、見るけどね」

 

ちなみに円盤収録されてる特典映像で《専務》を演じたこちらのキャストさんは「嫌な役回りですよ。言ってる自分が辛くなるよな台詞もあるし、メンバーに対して言うのも辛い。色々考えちゃいますよね」と、複雑な心境を吐露していました。某男性シンガーも以前『役者というのは自分を失くして《自分ではない人間》の生を演じること』だと言ってましたが、恐らくキャストの誰もが皆、自分と自分の演じる役が別物だとはわかっていても、ふとした台詞に自分のことを重ねてしまって辛くなったり色んなことを考えたりして、葛藤しながら芝居に臨んでいたんじゃないかと思います。

例えば今の自分の立ち位置。目指した座標とそこまでの距離。夢とビジネスの相関関係。背中合わせの理想と現実。専務が訥々と己の思いをマネージャーに語り「お前はもう、夢に見ねえの?」と問いかけていたここのシーンは観客席のほぼ全員、涙腺崩壊してました。

 

そして専務の独白が終わり、マネージャーが部屋を立ち去る間際にひとこと「あいつらの逆転劇、あんたらに見せてやりますから」 と社長と専務に告げたのち、舞台はいよいよ最後の場面に移ります。プロデューサーから事務所の悪意がふんだんに詰まったあのデビュー曲を隠れ蓑にし、メンバー3人が自ら作詞した曲を《真のデビュー曲》としてサプライズ披露する計画を明かされていたメンバーですが、作詞に励む最中に「ホントに上手くいくのかよ、コレ」と不安を吐露していたのがまんまと的中し、遂に迎えたデビュー当日、オープニングアクトを務めたもののあまりのダサさに会場のお客のテンションは下がり、早く引っ込め!と言わんばかりの雰囲気の中で「実はもう1曲あります。僕達の真のデビュー曲です!聴いてください!」と発表しますが案の定、盛大にブーイングされてしまいます。

四面楚歌ともいえる状況。困惑の顔でうろたえるメンバー。しかしひとりのメンバーが「いいから聴けよ!」とブチ切れたことをきっかけにして、メンバーそれぞれ自分の言葉で自分の想いを打ち明け出します。何度もデビューを繰り返しつつも、10年近く鳴かず飛ばずであったこと。それでもいつかは夢が叶うと3人でずっと頑張ってきたこと。最後のチャンスになるこのステージをどうか見届けて欲しいこと。3人全員うっかりすると泣きそうになるのを必死に堪えて「この曲には、僕たちの人生がかかっているんです!」「どうか5分だけでも、皆さんの時間を僕らに貰えませんか!」「聴いてください、お願いします!」と頭を下げると、その懸命さに観客席からまばらな拍手が起こりました(実際はSEの拍手ですが)

なおこのシーン、千秋楽では3人揃ってボロ泣き&咽喉が詰まって台詞がマトモに言えないくらい、感極まった状態でした。推しに至っては楽日しか観てない私ですらも「あ、今の台詞はアドリブだな」とわかるくらいに素が出てましたし(実際カテコで他メンバーから「お前途中から完全に自分のことを言ってただろ!」「アドリブ長すぎんだよ」と突っ込まれてました)まんまるにした目からはポロポロ大量の涙が零れまくってて、観ているこちらもつられて号泣しちゃいましたよ……。

皆の応援があるから自分はこうして舞台に立ててる。いつまでもこうして立ち続けたい。与えられた役として、舞台の上で生き続けたい。推しはちょいちょいツイッターなどでも役者の仕事に賭ける想いを呟くことが多いのですが、文字で見るのと直に聞くのじゃ、刺さる深さが違いますよね。自分の仕事を支えてくれてる現場の方への感謝の言葉、そして自分を応援しているファンへと向けた感謝の言葉を泣きじゃくりながら役に重ねてひたすら述べる推しの姿を見ている間、私は初めて推しの名前を知った当時のあの頃のことをぼんやり思い出しながら、ひたすらティッシュで涙をぐしぐし拭ってました。

 

そして場面はライブが終わった3人が控え室(?)にて放心しているシーンに移り、抜け殻のようになった3人が「終わったな」「終わっちゃったな」「こっから俺たち、どうなるかだな」と口々に呟きます。

やり切ることはやり切った。思いの丈は全てぶつけた。しかし推しだけは片隅でひとり頭を抱え、おかしいなあ、おかしいなあ、と辛そうにぶつぶつ繰り返します。推しの異変に気付いたメンバーが「どうした?」と声をかけますが、推しはそれでもなかなか顔をあげません。そしてメンバーが首を傾げる中、推しはひとことこう言ったのです。

「……ワン、ツー、って出てこねえんだ。どれだけ耳をこらしても、次のカウントが全然聞こえてこねえんだ!」

今までどんなに辛くても、先の見えない状況においても、あのカウントが聞こえる限りは何があってもギブアップしない。そうして自分と自分の仲間を鼓舞し続けてきたあの推しが、ここで初めて弱音を吐いて「ダメかもしれない」と言いました。今までこんなことはなかった、どうしよう、どうすればいいんだよ……と泣きそうな顔でうなだれる推し。するとふたりのメンバーは「もういっか」「そうだな」「オレ達にしちゃ、頑張ったほうじゃね?」「よく頑張ったよなオレ達ホント。なんてったって10年だもんな!」「だな!」と、何故かめちゃくちゃ晴れやかな顔で《終わり》を匂わす会話をします。それに思わず顔を上げ、どういうことだ?と言いたげにふたりを見る推しに、ふたりは優しくこう告げました。

 「オレ達さ、もしもお前が『もう無理だ』って弱音を吐いたら、その時はきっぱり終わりにしようと思ってたんだよ」

「俺たち甘っちょろいからさ、お前のことを勝手に砦にしてたんだ。……お前がずっと頑張ってたから、もうちょっとだけ踏ん張ろう!って思ってたんだ」

「ありがとうね。……もう、充分だよ」

ふたりの言葉に泣きじゃくりながら「ごめんなあ……ホントごめんなあ……」と繰り返す推し。そしてリーダーの子が「おい!謝るの禁止な!」と手を差し伸べて、終わりを促す握手を推しに求めます。そして3人が握手を交わし、涙を拭って《夢の終わり》を確信するかのように視線を合わせたその瞬間、舞台端からプロデューサーとマネージャーが「お前らやったぞ!!!!」と絶叫しながら3人のところに飛び込んできたのです。思わず固まる3人に向かい、興奮気味に「逆転劇が起こったんだぞ!」と彼は叫ぶと、続いて皆にこう言いました。

「お前らの歌ったあの曲が反響を呼んで、あの曲で!デビューが!決まったんだ!!」

当然ながら3人全員目を丸くして「嘘だろ……?」「えっ何待って、嬉しすぎてワケわかんない……」と、デビューの話を信じられずにうろたえる始末。すると「ダメだこいつら、デビューの話が嬉しすぎてパニくってる!なあニノ、お前からも説明してやって!」とマネージャーから促された専務がふらりと前に出て「え〜、会社の偉い人で〜す。……君たちのデビューが、今さっき、決まりました〜」といつもの口調で説明を始め、そして最後に優しい顔でにこりと笑って「これ、現実です」と言いました。

 

私ホントにこの作品を何回観ても観る度何度も涙ぐむんですが、ここで一気にぶわーーーっとなります……初めはとにかく存在自体がムカついていた専務でしたが、終盤で吐露した《諦めきれない夢にすがり続けるしかない闇》が漸くこの時晴れたんじゃないかと思わせる笑顔になった瞬間、専務ーーーー!!!専務良かったね専務ーーーー!!!と胸が一杯になり、その後見せるマネージャーに向けた笑顔にまた号泣します。いやもうホントにいい役でしたし、いい演技でした……

 

そして最後は再びレッスンスタジオの風景に戻り、デビューが決まったその後の話が挟まります。3人はあの後デビューをしたものの、結局それから鳴かず飛ばずのままは変わらず、レコードショップの500円ワゴンに新譜を置かれる状態です。しかし以前と違うのは、やっぱり推しがいつものように「何とかなるでしょ!」と能天気に笑い、それに呆れたふたりが「また始まったよ」「いっつもそれだよ」とぼやいているのを、専務が笑って「え〜でも〜、先行投資ってことでよくな〜い?」と片付けていることです。

結果的にはデビューを果たして大成功!念願叶ってトップアイドルになりました!……という未来は描かれませんでしたが、がむしゃらに夢を追い続けてきた3人と、叶わなかった夢の呪縛に囚われ続けた3人の、それぞれが見る《未来》のビジョンが決して先の明るいものではなくとも、夢が破れて悲しいものに終わってしまうエンドを迎えるわけではなさそうなことに、個人的には舞台を観終えて安堵しました。そしてよくあるサクセスストーリー的な大円団にて終幕するのを選ばなかったこの物語に、むしろ私は心地よさすら感じ入りました。

演じる役者の《等身大》を描いた舞台というのは、簡単な言葉で片付けてしまえば「観客側は非常にラクに役者と役に感情移入が出来てしまって、頭を使わず笑って泣いて感動出来る」ものになるので正直苦手としていましたが、この作品は観ていて色々自分のことにも当てはまる部分が多すぎて、観返す度にしんどくなるのはわかっていても、やっぱり好きでヒマさえあれば観てしまいます。日程の都合で千穐楽しか観られなかったのが今でも非常に悔しいですが、あの1公演をきちんとこの目で見届けられただけ、FC先行で完売してはいたものの、運良く流れた未入金分のチケットを取れたラッキーに感謝をしたいと思います。

 

そして最後に。

アップするまでに1ヶ月以上の時間がかかってしまいましたが、以前に上げたエントリーを読んで続きを待って下さった方がもしいましたら、本当にありがとうございます。クソ長い割には面白味の無い1人語りのブログですけど、暇潰しにでもしていただけたなら嬉しいです。

1番好きな舞台の話・中編

※こちらのブログは前回エントリーしたブログ(1番好きな舞台の話・前編)の続きになるものです。あらかじめご了承ください。

※レポというよりもはや本編を紹介しているだけです。実際の台詞とかなり異なる場面もあります。

 

「デビューに向けて頑張ります!」とやる気を見せる3人をよそに、何故かひとりでどんよりと沈むマネージャー。そのローテンションさに嫌な予感をひしひしと感じる3人ですが、それと同時にマネージャーと同伴してきた《謎の男》の存在ならびに、彼がやたらと訳知りな口調で会話にちょいちょい突っ込んでくるのも気になります。謎の男は本題をなかなか切り出そうとしないマネージャーに「君の口からきちんと彼らに話すべきだよ」と促すと、自分のことは気にせずどうぞ、と言わんばかりに椅子に座ってくつろぎ出します。

もうこれ以上は引き延ばせない。遂にマネージャーも観念したのか、悲痛な顔で彼らに告げます。「お前らのデビューは訳ありなんだ。想像しているものとは違う」

さて、訳ありのデビューとは一体何か。要約するとこんな感じです。

 

・彼らのデビューは《いずれは解散すること》を前提にしている

・事務所の狙いは《損切り》である為、当然ながら彼らを売り出すつもりは毛頭無い

・ちなみにデビューの場として事務所が用意してきたものは、現在売り出し中の後輩2人のワンマンライブの前座である

・完全アウェーのステージに立たせ、盛り上がらないライブをさせて、完膚なきまでに恥をかかせて、3人に自ら《もう辞めたい》と言い出させるのが事務所の目的

・更にはそれが事務所にとっては習慣のようになっていて、実は彼らのマネージャーも、かつてはアイドルグループとしてデビューを果たしていたものの、損切りをされて芸能界から身を引いたという、衝撃の事実が明らかに……

 

マネージャーの口から明かされる話に思わず顔が強張る3人。それもそうです、あれ程までに待ち望んでいたデビューがまさか損切りとして仕組まれたもので、しかも事務所は自分らのことを「お荷物」扱いしていることまで分かってしまった訳ですから。しかし「ひでえよ……」「こんなのってアリかよ……」と落胆に暮れるメンバーをよそに、推しはここでもマイペースです。いきなりひとりでいつものように「セブン、エイト!」とカウントを始め、いつものように踊り出します。メンバーからは「ふざけてる場合じゃねえだろ!」と怒鳴られますが、とにかくひたすら踊る推し。そしてとうとう「やめろよ!」と静止をされたその時に、推しは初めて声を荒げて、その感情を露わにしました。

「セブン、エイト、の次はなんだ?」

「?……ワン、ツー?」

「そう!ワン、ツー!だ!ワン、ツーが来る!……セブン、エイト、と来たら次はワン、ツー!自然とカウントが続くだろ!自然と身体が動くだろ!」

彼がひたすらセブン、エイト、とカウントを取り、止められても尚踊り続けているのはある意味《何があっても夢を追うのを諦めはしない》意思表示なのかもしれません。自分の中で8拍を刻むこのカウントが聞こえ続けるその限り、決して自らギブアップはしない。ギブアップなどするもんか。……デビューの話に打ちひしがれていたメンバーも、彼の言葉に気を取り直し「やるしかねえか!」と発奮します。すると今までだんまりだった《謎の男》が「思った通りだ」 と意味深に笑い、マネージャーに向かって「この3人のデビューの話、絶対成功させようじゃないか!」と言い出します。

実はこの、マネージャーが一緒に連れて来ていた《謎の男》の正体ですが、マネージャーの飲み仲間である《超有名な凄腕音楽プロデューサー》なのです。飲み屋の席でマネージャーから3人の話を聞かされるうち、彼らにめちゃくちゃ興味が湧いたというこのプロデューサー、彼らの窮地を救うべく、ひと肌脱ぎに来た訳です。「君たちにはもう後が無い。まさに一貫の終わりだね!!」と大笑いするプロデューサーにメンバーも思わずムッとしますが、彼はしれっと続けます。

「そんな君たちのデビューライブが成功したら、事務所もさすがに黙っちゃいない。僕が君たちをプロデュースして、君たちの為に最高の曲を提供しよう!……逆転劇を見せつけて、あっと言わせてやろうじゃないか!」

渡りに舟とはこのことでしょう。まさか世界で活躍している名だたるトップアーティスト達に楽曲提供をしているようなプロデューサーが、自分らの為に曲を作ってデビューを後押ししてくれるとは!消沈していたメンバーもこの展開に狂喜乱舞し「でっかい花火、打ち上げますか!」とあらためて気合を入れ直します。

で、ここからいよいよデビューに向けての策が練られていく訳ですが、プロデューサーは3人のことをよく知る為にも、メンバーのファンと面会したいと提案します。「カロリーの高いファンの意見は積極的に取り入れるべきだ」ということで、急遽彼らの《たったひとりの熱烈なファン》が呼び出されます(ちなみにこちらを演じているのはメンバー内で2番目に若いキャストさんで、当然ながらしっかり女装をしています)

ここで特筆しておきたいのが、この作品に登場してくるキャラそれぞれの設定の濃さです。推しが演じる主人公は勿論、周りを固めるキャラも相当キャラ立ってますが、このファンの子(※以下《Sちゃん》と表記します)の設定が1番凄いというか深いというか、とにかく凄い!の一言に尽きます。はてブロでも以前話題になった『りさ子のガチ恋♡俳優沼』でも「若俳オタクの特徴をよく押さえている」とレポートされていましたが、脚本家の方は私らオタクをひっそりこっそり観察してたりするんだろうか???と思う程、舞台の上でSちゃんが発する台詞はめちゃくちゃリアルなものばかりでしたし、観客席に向かっていきなり「この会場にはあたしなんかよりもっと上の!!!年季の入ってる先輩方が!!!いるんだからな!!!!」と言い出した時には、ガチで言葉を失いました……。

ちなみにSちゃんは所謂普通の《どこにでもいる、一般的なOL》で、メンバーのことはアイドルの頃から追っかけています。Sちゃん曰く「あの3人が私を救ってくれたから」ファンを続けているそうですが、そのあとに続く彼女の言葉は聞いてて結構重かったです。中でも1番ずしりと来たのは、自分自身の存在価値を卑下するような独白をしたそのあとで、ぽつりと零した『誰かの《夢》に寄り添いたい』という台詞。デビューをしても1年足らずで解散し、10年経っても鳴かず飛ばずの状態が続く、推し甲斐なんか全然無さそな3人のことを、何故Sちゃんがここまで必死に応援するのか。ポンコツ過ぎる語彙力なのでうまく言葉に出来ないのですが、Sちゃんにとっては推し活イコール、単なる趣味では片付けられない、大きな意味を持っているんじゃないのかな、と。

例えば新譜の円盤を積む。出演舞台を多ステする。ブロマやパンフは大量に買う。個イベのチェキ会、握手会では可能な限りとにかくひたすら周回をする。それ以外には入る現場にプレボがあればファンレと+αを突っ込んでみたり、ちょっと豪華なフラスタを一基送ってみたり。推し活の形は人それぞれで、目的だって勿論それぞれ異なるけれど、そのアクションが《推しが追ってる夢を叶える》足しになればと思ってやってる部分はあると思うんですよ。私の場合も「推しが再び《かつて演じた某キャラの役》で、舞台の上に立ち上がる日が来るように」と願ってやまない一心で、日々推し活に励みまくっているのですから。だから劇中においてSちゃんが放った台詞の全てに、心の底から共感しました。Sちゃんを演じたキャストの方の迫真の演技も含めて全部、今尚深く印象に残るシーンのひとつだったりします。

 

そしてSちゃんはメンバーそれぞれ違う魅力があるということ、その3人が揃ってることで絶妙なバランスが保てていること、良い楽曲が提供されればきっと人気も出るということ、それらをひたすら熱弁すると「……私が出来るのはここまでだ。あとはプロに、任せます!」とひとこと告げて立ち去ります(ちなみに例の3人ですが、Sちゃんからは見えないところにこっそり隠れて一部始終を見守っていました)

が、Sちゃんからの貴重な意見があれこれ色々聞けたというのに、どういう訳だかプロデューサーとマネージャーは、ふたり揃って難しい顔をしています。何故ならば実はデビューに際する楽曲は既に事務所側から用意をされてて、提供された楽曲は一切、使用を禁じられてるのです。しかもその曲がすごぶるダサい。実際舞台で3人がそれを歌うシーンがありますが、想像以上のキャッチーなダサさと大真面目な顔で絶唱しているメンバー+悟りを越えて虚無に至っているメンバー+ひとりノリノリで踊り狂ってる半ズボン姿のメンバー(推し)のカオスっぷりに、当時は必死で笑いを堪えていたものです。当然歌う本人達も、羞恥は相当あったのでしょう。曲が終わったその瞬間「何なんだよコレーー!!」「親が見たら泣くよコレ!!」「ダサすぎておしっこ漏れそうだよ!」と、悶絶しだす有様です。

マネージャーはそんな彼らに「……これが事務所のやり方なんだよ……」と呟くと、遠い目をして語り出します。大恥をかいたラストライブのトラウマで、それからずっと人前で歌うというのが出来なくなってしまっていること。芸能界から身を引いたものの、追っていた夢を諦めきれずにマネージャー職に就いていること。ひたすら夢を追い続けるか、それとも途中で追うのを止めるか。25歳になった時、その1次選考が来るんだ、と。

……重いです……めっちゃ重いですこの台詞……いずれいつかはそういう時が来るっているのはわかっちゃいますが、今はあんまり考えたくない……

多分舞台を観に来た方のほぼ全員、芝居を観ながらそれぞれの推しの《25歳を迎えたあとのこれから先》を思って重い気持ちになったんじゃないかと思います。実際私もこのあたりから、観ていて結構しんどかったです。しかしこのあと、更にしんどいシーンが来ます。そう、この物語の核心を担う役だといっても過言ではない、マネージャー及び事務所のお偉い方々に、フォーカスを絞ったシーンです。

 

 

このだらだらとした謎レポも、次で漸く最後になります。読み物としては面白みもなく、ただただ長いだけですが、ご迷惑でなければあともう少しだけ、引き続き宜しくお願いします。

 

でもってついでに閑話休題的な話も少し。

以前ブログで《推しの属する小劇団の公演チケットがなかなか売れないもんだから運営がおかしな企画を立てて来た》ことについての愚痴や文句をかなりだらだら書き綴り、当該舞台を友人知人に観に来て欲しいと頼みまくって推しの名義でチケットを取った、というのもちらっと書きましたけれど、招待をした友人達が「予想以上に面白かった!」「あの推しくんがのびのび芝居をしているところが観られただけでも収穫があった!」と観に行ったその日にお礼と舞台の感想のLINEを、忙しい中わざわざ送ってくれましてですね……むしろこっちがお礼を言いたいくらいでしたよ本当に……

で、多少のお世辞が含まれてるのは勿論わかっているんですけど「機会があったら別の舞台も是非観てみたい!」と皆が言ってくれた気持ちに感謝を込めて、そして小劇団の布教もさりげに兼ねる形で、当該舞台の円盤予約(前払い制)とこの作品の円盤をがっつりしっかり、人数分は買わせていただきました訳です。正直言って【楽しく観られる】作品だとは言い難いですが、招待をした友人知人は彼らと同じ《一芸(=才能)で生活を立てている》側で生きていて、ある意味彼らに1番近い立場の方だと思うので、恐らくきっとこの作品の魅力とそしてメンバー達の作品にかける覚悟だったり真剣みさを、誰より1番深くじっくり、わかっていただけるのではないか?と思い、一方的にプレゼントしました。まあそうしましたら予想以上に大好評でして、ツイッターでも「この劇団の作品を初めて見るんだけども何がオススメ?と聞かれたらまず間違いなくコレを勧めます」「これは劇団の代表作と言っても過言ではない。それくらい良かった」と大プッシュしまくりしてくださいまして、お陰で時々その方を介して劇団のことを聞いて下さる方も増え、誠に有難い限りです。

私は敢えてここでは当該劇団ならびに推しの名前は出さない姿勢を示していますが、もしこのブログを見てくださってこの作品にちらっと興味が沸きましたなら、新宿渋谷、池袋あたりの小劇場で活動している集団なので、1度是非とも彼らの芝居を観にお越しください。過去作品の円盤も全て、物販で入手出来ますので……

1番好きな舞台の話・前編

もし今誰かに「このブログを見てあなたの推しに興味が出たので、オススメの舞台を是非とも教えてくれないか」と声がけされたら、自信をもってオススメしたい作品がある。おもくそ笑えて、おもくそ泣けて、そしてしみじみ色んなことを考えされられる、最&高の作品だ。

今回はその、私が1年通して推しの舞台を観てきた中で今でも何度も円盤を見返し、ツイッターでも度々熱く語ってしまう、そんな舞台の話をします。

 

今年の初め、推しにとっては長期となったとある舞台が無事終わり、推しの属する小劇団から4ヶ月振りの本公演となる舞台の告知がありました。その後すぐに運営からは公演期間と出演メンバー、そしてビジュアルが続けて発表されたんですが、何故だか全員80年代アイドルの如くやけに古風な扮装で、私の推しに至ってはまるで「……これからセミでも捕まえに行くん?」と聞きたくなるよないでたちをしていたもんですから(余談ですけど物販のブロマもその衣装でした)タイトルとキャストのビジュアルがハマらず、遂に初日を迎えたその日、推しを含めたメンバーの皆が「僕らにとっては等身大の物語ともいえる作品」「役の台詞が自分自身に重なって、色々考えさせられた」とツイートするのを見ていても、実際舞台を観に行くまでは、どういう話か全く想像つきませんでした。

ひとまずざっくり前置きを兼ねて設定の一部を紹介しますと

・舞台は現代

推し(主役)は3人組のダンスボーカルユニット?のメンバーのひとりで、メンバー全員所属事務所が用意している下宿に住んでる

・芸能界に入ってかれこれ10年近くの月日が経つが、デビューをしても売れる気配が全く無い為、すぐに解散してしまう

・事務所の偉い人達からは「金にならない」お荷物扱いされている

……まあ要するに《芸能界でのデビューを夢見てがむしゃらに頑張る若者たちの悲喜こもごも》を主軸に描いたこの作品を、芸歴としてはまだ駆け出しの若手に等しい彼らが演じた訳ですよ。登場キャラにも事務所の社長や副社長、プロデューサーにマネージャー、デビューの出来ない彼らを見下す後輩に、そして彼らについてるたったひとりの追っかけファンがいたりするので、そのキャラ達の設定はもとより発する台詞もなかなかリアルなものでしたから、観劇中はあるある過ぎて思わず真顔で見入ってました。

総括するとコメディのようでどシリアス、ノンフィクションのようでいながらあくまでフィクション、メンバーが演じる役それぞれにメンバー自身の自己投影を重ね見ながら、その一方ではかつての自分も同じ思いを抱えていたな、とうすらぼんやり考える、そんな感じの舞台です。これから先は私の言葉によるものですが、その《ものがたり》の紹介などをしていきたいと思います。

(※舞台のストーリーをなぞる形で書き連ねるので、実際の台詞と異なることが多々あります。ご了承ください)

 

 

始まりはとあるスタジオの中。ラジカセから流れる曲に合わせて、ダンスを踊る3人の青年。彼らは全員15の時に芸能事務所の養成スクールに入所をし、それから実に3度に渡ってアイドル・ロッカー・倫理に反するボーカルグループ(=かなり有名な《某国ポップスグループ》のパクリ)と形態を変えてデビューをするも、いずれも全て1年足らずで解散を余儀なくされてます。今は週2で自腹を切ってスタジオを借り、ひたすらダンスの自主練をしながら「いつになったらデビューの話が来るんだろうね」「そのうちチャンスが巡ってくるよ」と10年経っても鳴かず飛ばすの境遇をぼやいて、それでも夢を諦められずにここまで来ている状態です。

が、転機は遂にやって来ます。マネージャーから「お前らのデビューが決まったぞ」と、メンバーの元に1本の電話が入ったのです。その吉報に大喜びし「遂にデビューだ!」とスタジオを慌てて飛び出し、下宿に戻るメンバー達。しかし一方、浮かない顔で電話を切ったマネージャーは、同席していた事務所の社長と副社長に向かって「あいつらのデビュー、考え直してもらえませんか」と訴えます。「俺は今まで頑張ってきたあいつらにきちんと向き合いたい。俺はあいつらのマネージャーとして、こんな形でデビューをさせるのだけは嫌です!」と、漸く決まったデビューの話を喜ぶどころか、必死になって取りやめようと抗議を続けるマネージャー。だが、社長は顔色ひとつも変えることなく、彼に対してきっぱりと告げます。

「金にならない奴らをこのまま飼い続けても、会社にとってはそれだけで既に損失だ。奴らときちんと向き合いたいなら、責任を持ってお前自身で引導を渡せ」

大手の芸能プロダクションにとって、利益を生まないタレント=厄介なお荷物と見なされます。社長が下したその判断は、決しておかしなものではないです。しかしそれでも納得がいかずに「ですが……!」と渋るマネージャーを見て、副社長までもが更に追い討ちをかけました。

「むしろここまで売れない奴らの面倒を見てきてやったんだぞ?会社としても温情は十分、与えてきたと思うんだけど?」 

 

もう本当、ここのシーンは観ていて思わずぞわぞわしました。きっと恐らく本読みした時、色んなことが脳裏を過ぎっていったんじゃないかと…… 。マネージャー役のキャストさんも他の舞台じゃ天真爛漫・明朗快活なキャラを演じていらっしゃいますが、この時ばかりは凄く真面目な、重い演技が際立ってました。

そして場面は一旦変わって、下宿に戻った3人がそこで、後輩にあたるタレントの2人と衝突します。こっちの2人は後輩ながらも既にデビューは果たしている上、ワンマンライブも即完している有望株です。そんな彼らは先輩である3人に対して「早く事務所に入ったってだけで、先輩風を吹かせられても困るんですけどwww」「俺らデビューも決まってますし、次のワンマンも即完ですしwww」と、舐めた態度でかかってきます。さすがにこれにはカチンと来たのか、メンバーのひとりが「舐めてんじゃねえぞ!」と詰め寄りますが、推しはだけは何故か落ち着き払って激昂しているメンバーふたりを諌めると、後輩に向かって謝ったのです。そこで今度は推しがふたりに「あんなこと言われて小バカにされて、お前は悔しくないのかよ!」とぎゃあぎゃあ責め立てられるのですが、彼はけろっとこう言うのです。

「でも、本当のことじゃん」

 

推しが演じる役の子は、他メンバーからことあるごとに「なんかズレてる」「プライド無いだろ」「真面目にやってよ」と言われまくってる、ちょっと頭の足りない子です。ダンスをしててもひとりでおかしなアレンジを入れて浮きまくり、スタジオ代はなかなか払えず毎回「ごめん金無い!代わりに払って!」とメンバーに頼み、挙げ句の果てに「夢を追うなら借金もやむなし!」と、消費者金融の返済に追われ、国民保険を滞納しまくるような子です。こう書き出すと3人の中で彼が1番お荷物になってる感じがしますが(何しろ他のメンバーが後輩と火花を散らしてる最中、ひとり呑気にエロ本を読んでいたくらいですから……)一見すると不真面目に見えても、実は誰より1番真面目に「夢だけを追って生きている」のかもしれません。良くも悪くもマイペースだけれど、その分なかなか諦めない。皆が弱音を吐いた時にも「なんとかなるでしょ!大丈夫っしょ!」とへらへら笑う鋼のメンタルを持っている。

《人気の無い奴は目立てない。この世の生き地獄》とは他の舞台の引用ですが、この一言に全てが凝縮されてます。芸歴の長さは強みにならず、先輩だろうと後輩だろうと、目立てる奴がとにかく強い。推しの言葉で激昂していたメンバー達も漸く我を取り戻し、デビューの話をしにやってきたマネージャーに「俺ら、デビューに向かって頑張りますんで!」と意気揚々と宣言しますが……

 

長くなるのでここで一旦区切ります。

この作品がホントにめちゃくちゃ好き過ぎるので、1度に全部は語れませんでした……

愛を乞う人・リターンズ

遂にこの日が来てしまいました。

 

2ヶ月前に書いたブログで「推しは恐らく出演すると思います」と予想をしていた《とある舞台》の出演キャストがこの度とうとう発表されてしまったんですが、やっぱりというか案の定、推しの名前もその一覧にばっちり挙がっておりました。まあなんとなく「続編の方にも出るんだろうな」とは薄々思っていましたし、推し本人にもちらっとカマかけしてみたところ「アハハハハ!!」と真顔で爆笑されましたから、出演するのがわかった今は、正直割と穏やかでいます。穏やかじゃないのは未だに減らない接触にだけはきっちり真面目に通ってるくせに、舞台はちっとも観に来やしねえクソ茶……まあいいです。

 

ちなみに私はこの作品に悪感情は抱いていません。前回の舞台もなんだかんだでゲラゲラ笑って楽しめましたし、ステージの上で一生懸命歌って踊る推しを観るのも楽しかったです。出演キャストに担当が居る方の中には「あの舞台にだけは出て欲しくなかった!」と嘆かれる方もいらっしゃいますが、一部の演出をスルー出来れば物語自体はコメディですから、頭を使って観る必要が全く無いのでラクですよ。1度も観ずしてイヤイヤ言うのは勿体無いです、いやマジで。

しかし私も一部の演出、ファンが投じたポイントによって立ち位置の変わるあのランキングに関してだけは、心に闇を抱えます。 推しはかなりの頑張り屋さんで負けん気の強い性格ですが、だからといって難なくトップを勝ち獲れるような世界じゃないのは嫌というほどわかってますし、推しをトップに押し上げる為にはそれ相応の火力が必要になることだって、嫌というほどわかっています。有志の方が企画を立てて下さらなければ、トップどころか上位のランクを狙うことすらままなりません。出来ることなら今回の舞台は全公演で上位を飾っていただきたいなと願うのですが、恐らく誰もが自分の推しにはそうあって欲しい筈でしょうから……複雑ですよねこればっかりは。

ひとまず今は外部の仕事で大忙しの推しを静かに応援しつつ、推しにとっては仕事納め(?)にあたる舞台のチケットがどうかご用意されますように!と念じまくって、このあと控える推しの舞台を観に行くことを指折り数えて楽しみにしながら、年明けに向けてアップをしようと思います。前回は運良く公休と個休をフルに使って観に行けましたが、果たして今回どうなることやら。推しの勇姿を見届けられるチャンスがどうか、1公演でも多く巡ってこられますように!!!

推し活の覚悟を試された話

【注意】

このエントリーは今回ほぼほぼ愚痴ばっかりになってます。

あまり気持ちの良い内容では無いだろうなと思いますので、読み進めるのは自己責任でお願いします。

 

つい先日のことですが、推しの属する小劇団の本公演を観に行きました。計4日間の全5公演で会場キャパは150前後の、程よく手頃な舞台です。スケジュールさえ都合がつけば、全通するのも簡単です。

ですが私は全5公演中、千秋楽の1公演しか観られていません。決して楽だけ観られればいいや!今月色々厳しいし!チケットもご用意されなかったし!といった訳ではありません。ましてや他に観に行く舞台やイベント等があった訳でもありません。では何故私が1公演しか観られなかったのかといいますと、以下の事情があるからなのです。

・終業時刻が高確率で22時以降(常時)

・土曜ならびに月末の個休申請、及び有休申請がほぼ不可能(冠婚葬祭は除く)

・但し、日曜祝日は確実に休める

・役職持ちである為、上層部には個休を把握されている(更には休暇の変更を言い渡される場合も多々ある……)

推し活を始めてそろそろ1年。その1年の間に一体何度、観に行きたくとも観には行けない舞台に思いを馳せながら悔し涙を流したことか!チケットがご用意されなかった為に「観に行けなかった」のとは、勿論話が違います。チケットにまだまだ余裕があっても、出演キャストが一生懸命「是非観に来てください!」と呼びかけをしても、行けないものは行けないのです。

仲良くしている同担の方から「今回は何回(現場に)入るんですか?」と聞かれる度に「残念ながら日曜の楽しか行けないんですよね……」と答えるしかないこの辛さ。そりゃ私だってさ!楽日以外も!観に行きたいよ!!日替わりでやるアドリブも!出来ることなら全部この目で!推しの芝居を!!観ておきたいよ!!!

 

しかし私が「うわ〜……今月のリリイベ全部土曜日ばっかりじゃねーか……何コレ新手の嫌がらせですか……1ヶ月半も推しの仕事を観られないとか、めっちゃ苦行じゃないですか……」とひとりでクサクサしていましたら、いきなり事態が急変しました。公式がいきなり『特別企画』と銘打って、当該公演における【チケット売上ランキング】という、理解に苦しむ企画の告知をしてきたのです。

これには当然同担も他担も、そりゃもうめちゃくちゃキレまくりました。チケットがなかなか捌けないのを苦肉の策でなんとかしようとしていることは、百歩譲って目を瞑ります。以前観に行った外部の舞台もリピーターには割引をかけたり、特典付けたりしてましたから。ですが売上ランキングという形で購入枚数を競うとなると、チケット自体に付加価値は無く、特典どころか単なる《得点》扱いです。しかもFC先行で購入している分についてはノーカウントとされてる上に、売上が最下位となったキャストの方だけ、感じの悪い《罰ゲーム》とやらがご用意されてるという始末……。

これには私もキレました。キレるというより呆れ果てました。いくら《ゲーム》と銘打たれても、楽しめる訳がありません。某ランキング舞台のように1位になったら見せ場が増えるというのであれば、気持ち的にはまだマシでした。そして私はこの公演を観に行きたくとも千秋楽の1公演しか観られないことに頭を抱え、2時間くらい悩みに悩んで悩みまくったその末に、推しの芝居を観たことのある友人知人、フォロワーの方に『推しの出ている舞台のチケットプレゼントするので、どうか観に来ていただけませんか』と、声がけをする手段に出ました。

自分が舞台を複数公演観に行けないなら、他の誰かに観ていただきたい。出来れば自分のホームでのびのびと芝居をしている推しをしっかり観ていただける方に、舞台のチケットをプレゼントしたい。罰ゲームのことはさておくとして、推しの名義で動員を上げる貢献だけはしておきたい。いつでも芝居を一生懸命頑張る推しと、そして一緒に頑張る劇団キャストの皆に、空席の目立つ観客席を見せたくはない。せめてどこかの1公演でも、満員御礼に出来るなら!

そりゃもう必死に声かけました。こんな形で推しの布教をしてしまうことに自己嫌悪しながら、とにかく声をかけまくりました。なんせ巷じゃ既に運営の悪行と劇団員への同情と同担他担の悲痛な叫びが拡散されて結構な話題となってしまっていたのですから、公演名を告げた瞬間「ああ……例の舞台ですか……」とお察しされたりしましたが、ひたすらお誘いしまくりました。

ですが当時は複雑でした。自分がこうして推しの名義でチケットを買うということが、果たして推しへの応援になるのか?こんな形で自分名義のチケット購入が増えたところで、推しは素直に喜べるのか?そもそもどうしてこうなった?運営の意図はどこにあるんだ?罰ゲームをする目的は何だ?単なる人気の有る無し調査?それともまさか『推しが窮地に立たされた時、火力を上げて何とかしようと動く贔屓がどれだけ居るか』を炙り出そうとしてるのか?……いやむしろ、こんな企画にホイホイされて慌てて舞台のお誘いをかける私の方こそ、色々反省すべきじゃないのか?もっと早くに友達を呼んで座席を埋めるガッツを見せれば、こんなことにはならなかったのでは?もしまたこの先舞台をやる度『なかなかチケットが捌けないからお前らの尻を叩いてやるぜ!』と炎上商法紛いの企画を打ち出されたら、またもやホイホイ従うつもりか?あの劇団は舞台のチケットが捌けないのをファンに対して丸投げするのが慣習なんだと思われるのは、正直言って恥ずかしくないのか?こういう時だけやたら必死に『芝居する推しを観てやってください!』と大騒ぎする自分自身も、十分恥ずべき存在じゃないか?

 推しの仕事を応援したい。推しの頑張りを見届けたい。そう言うことは簡単だけれど、言葉通りに行動するのは難しい。出来る限りのことは出来ても、出来ないことはとことん出来ない。だけども時と場合によっては《出来ないこと》の穴埋めをするのも必要で、同時に覚悟も決めなきゃならない。そして自分がそうしたことをいつかどこかで笑い話に出来るくらいの、心の余裕が無ければならない。

1年近く推し活やってて、ここまで色々考えたのはそういや初めてかもしれません。もしこの企画の結果が本公演の今後の指標になるのだとしたら、期待をされているのは恐らく《劇団のファンが果たしてどれだけ集客力を持っているのか》ということでしょう。しかも必死にならざるを得ない要素をつければまず間違いなく、何とかしようと考えるファンが出てくる筈なのですから。なのに向こうは熱心なファンが既に自分が観る分のチケを手元に所持しているというのに、そのチケットをカウント外とした上で、自分以外の誰かの分を購入してまで『席を埋めろ』と言うのです。……そりゃまあ確かに関係者ばかりで席を埋めても、興行的にはマイナスですわ。ですがこうして半ば無理矢理、それこそ推しを人質に取られた状態において『友達誘って観に来てね!』と言われたところで「はいわかりました!友達誘って観に行きますね!」とすぐに動けるファンがどれだけ、今の時点で居るかって話よ。

厳しいことを言うようですが、推しも含めて劇団のファンは若年層がその過半数を占めているので、運営の望む集客力は正直言って望めません。友達を舞台に誘うというのは《自腹を切ってその子の分のチケットを買う》ということですから、金銭的に余裕が無ければまず無理でしょう。自分の分を捻出するのも決してラクではない若い子に、人の分までチケット代を出せる力があるのでしょうか?だからといって誘った相手にチケット代を出してもらうというのも変だし、自分の推しが出ているでもなく別に興味がある訳でもない、そんな舞台のチケを自腹で買えと言われてウキウキ芝居を観に行く人などは、多分恐らくいやしません。もしも私が逆の立場にいたならば、まず間違いなく「ごめんなさい……ちょっとその日は都合が悪くて……」と言葉を濁してお断りすると思います。

 

そう、推し活=慈善事業じゃないんだよ!!

見て見ぬフリは出来そうもないから今回だけは必死になるけど、次はもう無い!もうするもんか!!!絶対に!!!

 

そして私がプンスコしながら運営に宛てて《今回の企画はどうかと思う。お願いだから見直してくれ》とご意見メールを切々と綴って送る間に「企画はどうあれ舞台自体は面白そうだし、推しさんがどんな芝居をするのか興味もあるから、自分できちんとチケ代出して観に行きますよ!」とお声がけした方々からの返事が届きましたので、ひとりひとりにお礼を述べて観劇希望の日程を伺い、ランキング用のチケット販売フォームに飛んで、推しの名義で一気にチケット購入しました。結構な額にはなりましたけれど、推しの芝居を観て頂くのに貴重な時間を割いてくださる訳ですし、それを思えば安いもんです。……出来ればこういう事情を抜きで友人知人をお誘い出来たら、それが1番穏やかだったんですけどね……。

 

ちなみにこの後、例の企画は結局《中止》となりました。正しく言えば中止では無く、施行内容の見直しです。チケット売上ランキング自体はそのままでしたが、巷で物議を大いにかもした、あの罰ゲームの施行は取り下げられました。運営曰く「今回の企画に対するご意見が予想以上に寄せられたことを真摯に受けて、施行内容の見直しをした」そうなので、その点については深く感謝をいたします。

だけども次はありません。本公演の動員数を上げる為にと打ち出されている企画であるのはわかっちゃいますし、それが勿論ビジネス的な苦肉の策とも充分わかっちゃいますけど、わかっちゃいるからそれこそ余計、ついていくのがキツいです。折角外部の舞台で推しの存在を知ってくれ、公演の告知で興味を持って「観に行こうかな」と言っていた方が結構居たのに、あの騒動で「なんか怖い」とドン引きをされてしまったことや、そして前から公演の度に友達を誘っていらした方すら「さすがに今回のやり方は酷い。恥ずかしくって友達呼べない」と嘆き混じりにボヤいていたのは、果たして真摯に受け止められているのでしょうか。今1番に獲得したい新規のファンをまんまと逃しただけでは無くて、今までずっと応援してきた既存のファンまで蔑ろにして、そこから何を得られたのでしょうか。

これは私的ないち意見ですが、結局のところ火種を撒いて騒ぎを起こし、慌てて火消しに奔走してもその後始末がきちんとなされていなければ、ただいたずらに草ひとつ生えない焼け野原だけを作ったのみに過ぎません。お願いですからその焼け野原に劇団の皆をほっぽり出して「あとは自分らで頑張れや( ^ω^ )」とは、どうかしないでいただきたいです。これからどんどん舞台を通じて成長していくメンバーの為にも、そんな彼らを応援している方の為にも。

 

ちなみにこれは余談ですけど、間も無く始まる次の公演についての告知を推しが先日ツイートすると、今までずっと「行けないけれど応援してます!」とリプライしていたファンの子達が「初めて舞台を観に行きます!今からめっちゃ楽しみです!」と言っていたので、あの騒動をきっかけにして《1度舞台を観に行ってみよう》と思った方が、どうやら増えつつあるようでした。応援の形は人それぞれで事情によっては当然限りもありますけれど、この先のことが少しずつでも良い方向へと進んで行けたらいいんだけどな、と私は願ってやみません。