人生、難あり

若俳推し活備忘録

推し活の覚悟を試された話

【注意】

このエントリーは今回ほぼほぼ愚痴ばっかりになってます。

あまり気持ちの良い内容では無いだろうなと思いますので、読み進めるのは自己責任でお願いします。

 

つい先日のことですが、推しの属する小劇団の本公演を観に行きました。計4日間の全5公演で会場キャパは150前後の、程よく手頃な舞台です。スケジュールさえ都合がつけば、全通するのも簡単です。

ですが私は全5公演中、千秋楽の1公演しか観られていません。決して楽だけ観られればいいや!今月色々厳しいし!チケットもご用意されなかったし!といった訳ではありません。ましてや他に観に行く舞台やイベント等があった訳でもありません。では何故私が1公演しか観られなかったのかといいますと、以下の事情があるからなのです。

・終業時刻が高確率で22時以降(常時)

・土曜ならびに月末の個休申請、及び有休申請がほぼ不可能(冠婚葬祭は除く)

・但し、日曜祝日は確実に休める

・役職持ちである為、上層部には個休を把握されている(更には休暇の変更を言い渡される場合も多々ある……)

推し活を始めてそろそろ1年。その1年の間に一体何度、観に行きたくとも観には行けない舞台に思いを馳せながら悔し涙を流したことか!チケットがご用意されなかった為に「観に行けなかった」のとは、勿論話が違います。チケットにまだまだ余裕があっても、出演キャストが一生懸命「是非観に来てください!」と呼びかけをしても、行けないものは行けないのです。

仲良くしている同担の方から「今回は何回(現場に)入るんですか?」と聞かれる度に「残念ながら日曜の楽しか行けないんですよね……」と答えるしかないこの辛さ。そりゃ私だってさ!楽日以外も!観に行きたいよ!!日替わりでやるアドリブも!出来ることなら全部この目で!推しの芝居を!!観ておきたいよ!!!

 

しかし私が「うわ〜……今月のリリイベ全部土曜日ばっかりじゃねーか……何コレ新手の嫌がらせですか……1ヶ月半も推しの仕事を観られないとか、めっちゃ苦行じゃないですか……」とひとりでクサクサしていましたら、いきなり事態が急変しました。公式がいきなり『特別企画』と銘打って、当該公演における【チケット売上ランキング】という、理解に苦しむ企画の告知をしてきたのです。

これには当然同担も他担も、そりゃもうめちゃくちゃキレまくりました。チケットがなかなか捌けないのを苦肉の策でなんとかしようとしていることは、百歩譲って目を瞑ります。以前観に行った外部の舞台もリピーターには割引をかけたり、特典付けたりしてましたから。ですが売上ランキングという形で購入枚数を競うとなると、チケット自体に付加価値は無く、特典どころか単なる《得点》扱いです。しかもFC先行で購入している分についてはノーカウントとされてる上に、売上が最下位となったキャストの方だけ、感じの悪い《罰ゲーム》とやらがご用意されてるという始末……。

これには私もキレました。キレるというより呆れ果てました。いくら《ゲーム》と銘打たれても、楽しめる訳がありません。某ランキング舞台のように1位になったら見せ場が増えるというのであれば、気持ち的にはまだマシでした。そして私はこの公演を観に行きたくとも千秋楽の1公演しか観られないことに頭を抱え、2時間くらい悩みに悩んで悩みまくったその末に、推しの芝居を観たことのある友人知人、フォロワーの方に『推しの出ている舞台のチケットプレゼントするので、どうか観に来ていただけませんか』と、声がけをする手段に出ました。

自分が舞台を複数公演観に行けないなら、他の誰かに観ていただきたい。出来れば自分のホームでのびのびと芝居をしている推しをしっかり観ていただける方に、舞台のチケットをプレゼントしたい。罰ゲームのことはさておくとして、推しの名義で動員を上げる貢献だけはしておきたい。いつでも芝居を一生懸命頑張る推しと、そして一緒に頑張る劇団キャストの皆に、空席の目立つ観客席を見せたくはない。せめてどこかの1公演でも、満員御礼に出来るなら!

そりゃもう必死に声かけました。こんな形で推しの布教をしてしまうことに自己嫌悪しながら、とにかく声をかけまくりました。なんせ巷じゃ既に運営の悪行と劇団員への同情と同担他担の悲痛な叫びが拡散されて結構な話題となってしまっていたのですから、公演名を告げた瞬間「ああ……例の舞台ですか……」とお察しされたりしましたが、ひたすらお誘いしまくりました。

ですが当時は複雑でした。自分がこうして推しの名義でチケットを買うということが、果たして推しへの応援になるのか?こんな形で自分名義のチケット購入が増えたところで、推しは素直に喜べるのか?そもそもどうしてこうなった?運営の意図はどこにあるんだ?罰ゲームをする目的は何だ?単なる人気の有る無し調査?それともまさか『推しが窮地に立たされた時、火力を上げて何とかしようと動く贔屓がどれだけ居るか』を炙り出そうとしてるのか?……いやむしろ、こんな企画にホイホイされて慌てて舞台のお誘いをかける私の方こそ、色々反省すべきじゃないのか?もっと早くに友達を呼んで座席を埋めるガッツを見せれば、こんなことにはならなかったのでは?もしまたこの先舞台をやる度『なかなかチケットが捌けないからお前らの尻を叩いてやるぜ!』と炎上商法紛いの企画を打ち出されたら、またもやホイホイ従うつもりか?あの劇団は舞台のチケットが捌けないのをファンに対して丸投げするのが慣習なんだと思われるのは、正直言って恥ずかしくないのか?こういう時だけやたら必死に『芝居する推しを観てやってください!』と大騒ぎする自分自身も、十分恥ずべき存在じゃないか?

 推しの仕事を応援したい。推しの頑張りを見届けたい。そう言うことは簡単だけれど、言葉通りに行動するのは難しい。出来る限りのことは出来ても、出来ないことはとことん出来ない。だけども時と場合によっては《出来ないこと》の穴埋めをするのも必要で、同時に覚悟も決めなきゃならない。そして自分がそうしたことをいつかどこかで笑い話に出来るくらいの、心の余裕が無ければならない。

1年近く推し活やってて、ここまで色々考えたのはそういや初めてかもしれません。もしこの企画の結果が本公演の今後の指標になるのだとしたら、期待をされているのは恐らく《劇団のファンが果たしてどれだけ集客力を持っているのか》ということでしょう。しかも必死にならざるを得ない要素をつければまず間違いなく、何とかしようと考えるファンが出てくる筈なのですから。なのに向こうは熱心なファンが既に自分が観る分のチケを手元に所持しているというのに、そのチケットをカウント外とした上で、自分以外の誰かの分を購入してまで『席を埋めろ』と言うのです。……そりゃまあ確かに関係者ばかりで席を埋めても、興行的にはマイナスですわ。ですがこうして半ば無理矢理、それこそ推しを人質に取られた状態において『友達誘って観に来てね!』と言われたところで「はいわかりました!友達誘って観に行きますね!」とすぐに動けるファンがどれだけ、今の時点で居るかって話よ。

厳しいことを言うようですが、推しも含めて劇団のファンは若年層がその過半数を占めているので、運営の望む集客力は正直言って望めません。友達を舞台に誘うというのは《自腹を切ってその子の分のチケットを買う》ということですから、金銭的に余裕が無ければまず無理でしょう。自分の分を捻出するのも決してラクではない若い子に、人の分までチケット代を出せる力があるのでしょうか?だからといって誘った相手にチケット代を出してもらうというのも変だし、自分の推しが出ているでもなく別に興味がある訳でもない、そんな舞台のチケを自腹で買えと言われてウキウキ芝居を観に行く人などは、多分恐らくいやしません。もしも私が逆の立場にいたならば、まず間違いなく「ごめんなさい……ちょっとその日は都合が悪くて……」と言葉を濁してお断りすると思います。

 

そう、推し活=慈善事業じゃないんだよ!!

見て見ぬフリは出来そうもないから今回だけは必死になるけど、次はもう無い!もうするもんか!!!絶対に!!!

 

そして私がプンスコしながら運営に宛てて《今回の企画はどうかと思う。お願いだから見直してくれ》とご意見メールを切々と綴って送る間に「企画はどうあれ舞台自体は面白そうだし、推しさんがどんな芝居をするのか興味もあるから、自分できちんとチケ代出して観に行きますよ!」とお声がけした方々からの返事が届きましたので、ひとりひとりにお礼を述べて観劇希望の日程を伺い、ランキング用のチケット販売フォームに飛んで、推しの名義で一気にチケット購入しました。結構な額にはなりましたけれど、推しの芝居を観て頂くのに貴重な時間を割いてくださる訳ですし、それを思えば安いもんです。……出来ればこういう事情を抜きで友人知人をお誘い出来たら、それが1番穏やかだったんですけどね……。

 

ちなみにこの後、例の企画は結局《中止》となりました。正しく言えば中止では無く、施行内容の見直しです。チケット売上ランキング自体はそのままでしたが、巷で物議を大いにかもした、あの罰ゲームの施行は取り下げられました。運営曰く「今回の企画に対するご意見が予想以上に寄せられたことを真摯に受けて、施行内容の見直しをした」そうなので、その点については深く感謝をいたします。

だけども次はありません。本公演の動員数を上げる為にと打ち出されている企画であるのはわかっちゃいますし、それが勿論ビジネス的な苦肉の策とも充分わかっちゃいますけど、わかっちゃいるからそれこそ余計、ついていくのがキツいです。折角外部の舞台で推しの存在を知ってくれ、公演の告知で興味を持って「観に行こうかな」と言っていた方が結構居たのに、あの騒動で「なんか怖い」とドン引きをされてしまったことや、そして前から公演の度に友達を誘っていらした方すら「さすがに今回のやり方は酷い。恥ずかしくって友達呼べない」と嘆き混じりにボヤいていたのは、果たして真摯に受け止められているのでしょうか。今1番に獲得したい新規のファンをまんまと逃しただけでは無くて、今までずっと応援してきた既存のファンまで蔑ろにして、そこから何を得られたのでしょうか。

これは私的ないち意見ですが、結局のところ火種を撒いて騒ぎを起こし、慌てて火消しに奔走してもその後始末がきちんとなされていなければ、ただいたずらに草ひとつ生えない焼け野原だけを作ったのみに過ぎません。お願いですからその焼け野原に劇団の皆をほっぽり出して「あとは自分らで頑張れや( ^ω^ )」とは、どうかしないでいただきたいです。これからどんどん舞台を通じて成長していくメンバーの為にも、そんな彼らを応援している方の為にも。

 

ちなみにこれは余談ですけど、間も無く始まる次の公演についての告知を推しが先日ツイートすると、今までずっと「行けないけれど応援してます!」とリプライしていたファンの子達が「初めて舞台を観に行きます!今からめっちゃ楽しみです!」と言っていたので、あの騒動をきっかけにして《1度舞台を観に行ってみよう》と思った方が、どうやら増えつつあるようでした。応援の形は人それぞれで事情によっては当然限りもありますけれど、この先のことが少しずつでも良い方向へと進んで行けたらいいんだけどな、と私は願ってやみません。