人生、難あり

若俳推し活備忘録

オタクの鑑になりたかった話

唐突ですが、私は推しの舞台やイベで接触を受ける機会が2桁近くはあったというにもかかわらず、自分の名前を推しには一切名乗らないまま、ひっそり推し活しています。

理由は特にありません。が、強いて理由を挙げるとしたら『名前も顔もわからないけれど、いつもどこかで見ているオタク』になりたかったのだと思います。某有名な演劇漫画に出てくる《オタクの鑑》のあの人のような、そういうオタクになれたらいいな、と。

 

舞台が終わって推しと一緒にチェキ撮る時に「いつもホントにありがとうございます!」とにこやかな笑顔で言われても、久々に入ったリリイベの現場で「お久し振りです!」と爽やかな笑顔で言われても、とにかく名前は名乗らないままひたすら舞台の感想を述べ、去り際にひとこと「次の舞台も楽しみにしてます」と告げたらさっさと会場を出て、さっさと帰路に着く私。なので推しから特に何かを言われることもあまり無く、ただなんとなく『自分がかつて演じたキャラを未だに好きでいるらしい人』とはぼんやり覚えているようなので、それについての話を振られることならあった。あとはせいぜいLINEライブでコメントを拾ってもらった時に、名前をちらっと呼ばれた程度。同担の方は「推しくんリプライきちんと見てるし、舞台を観に来る常連の子なら、名前も顔も結構しっかり覚えているよ」と言うけれど、正直私は自分の周りの同担さんと比べれば、毎回律儀にリプライ飛ばす訳でもない。舞台も基本は「席に座って観られればいい」と思っているので最前ガッツも決め込まない。特典会でチェキ券積んでる訳でも無いし、リリイベにしても仕事の都合で行けなかった日が殆どなので、その状態で顔と名前が一致などする訳が無い。なので私は同担さんがキャッキャウフフと「推しくんにフラスタのお礼言われた♡」「推しくんにネイル褒めて貰えた♡」「こないだのライブでサイリウムいっぱい持っていたよね!って言われた♡」と盛り上がってるのを聞きながら『推しに名前を覚えてもらってその上声までかけられるとか、別世界すぎてわけわからんわ……』と、目をまんまるくしてフンフン頷くだけでした。

 多分私も名前を名乗れば「あっ」と気付いてもらえるだろうと思います。ですがそれから名前と顔をぼんやり覚えてもらえたとしても、所詮は舞台を観に来るだけしか出来ないただのクソオタクです。推しの仕事がこの目で観られりゃ充分過ぎるクソオタクなので、リプライも常に舞台の話一辺倒。推しが時々髪の毛切った!映画観に行った!ラーメン食べた!と日常に絡むツイートをしても、そこには一切触れないというクソオタク振り。ファンレを書いてもひたすら舞台の感想と、演じた役への大賛辞のみ。それから毎回書いている、私が推しを初めて知ったきっかけとなった、私が1番今でも好きな《A》というキャラを演じてくれたことに対する大感謝。いわゆる古参の、それこそ推しが劇団員になった頃からずっと推してる同担さんと比べれば、熱量はもちろん火力にしても、全然話になりませんでしょう。

ですが一応クソオタクなりに、推しに対する応援姿勢は強火のつもりで頑張っています。過去エントリーでもちょろっと触れておりますが、出演舞台(特に外部)に関する仕事に向けてでしたら、そこそこガッツは見せられています。なにせこちらは運営による罰ゲーム付きのチケット売上ランキング企画がトラウマになった経緯があるので、推しの舞台で【即売会】という3文字が出ると、必死になって友人各位にLINEを送り、チケットを取ってプレゼントをし、余裕があれば当該舞台の円盤やパンフもプレゼントする、アクティブなオタクにならざるをえません。そして舞台に招待した子が『推しくんの演じたキャラがハマり役過ぎて最高でした!』『あんなに伸び伸び芝居をしてる推しくんを観るのは新鮮でした!』と送ってくれた感想の言葉と共にしれっと「次の舞台も友達を連れて観に行きますね」とファンレに書いたり、そして時には接触現場で、さらっと告げたりしています。《演じた役から自分の芝居に興味を持ってくださった方が、他の舞台も観に来てくれたら嬉しいです》と推しが言うなら、出来る限りは協力したい!と、クソオタクなりに思うのです。

ちなみに推しには1度めちゃくちゃ謝られましたが(舞台に誘った友人にあげるプレゼント用で円盤ならびにパンフを大量購入したことがチェキ券の枚数でバレた為)「応援させていただけるだけ私は全然有難いですし、友達皆喜んでましたし、そこのところは大丈夫ですよ!」とフォローを入れて、すたこらさっさと立ち去りました。 どうしてあの時謝られたかは正直今でも謎ですが、そういうオタクに慣れてなかっただけだったのかもしれません。

 

ところが先月、とある現場で遂に素性がバレました。

正しく言えばバレたというより、私が勝手に「いくらマメさに定評のある推しとはいえど、さすがにオタクの顔と名前とオタクの推し活内容までは一致しないだろアッハッハ!」と思っていたのが、推しの口からおもくそ訂正されました。そして推しにはあのことだったりそのことだったり、今までのことをめちゃくちゃ真摯に労われた上、初めて過去のあれこれも含めたお礼を一気に述べられました……

 

アッハイそうですソレ私です……なんか色々すいませんホント……と、笑いもせずに真面目に話す推しに対して「覚えてくれててめっちゃ嬉しい!」とクソなオタクはキャッキャウフフと沸き上がるより、予想だにしない神対応にアワアワと目を泳がせながら、ろくな返しが出来ない自分がとにかくあれこれ申し訳なくて、ひたすら推しに頭を下げて下げまくりました。はたから見たら相当異様な光景だったと思います。最終的には剥がしの合図が出たその瞬間、カニ走りのようにその場をダッシュで逃げ出したのですから……

 

オタクの鑑は遠いです。

来年はせめて、推しに向かって頭を下げる回数を極力減らせますように、心がけたいと思います。