人生、難あり

若俳推し活備忘録

最高の終わりを迎えた舞台についての話

本来ならばこのエントリーの内容は「推しの演じたキャラクターの話・その3」となる予定でしたが、つい先日に大千穐楽を迎えると同時に《舞台シリーズ》までもがついに終わってしまった、私にとっては恐らく生涯、1番深く色んなものを傾けてきた“とある舞台”についての話をおもむろにしたいと思います。

レポ的要素は多分一切ありませんけれど、ヒマ潰しにでもちらっと読んでいただけたなら、私はとても有り難いです。

 

前置きとして説明をさせていただきますと、当該舞台はとある2.5次元舞台をベースに据えている、出演キャストが《野外ライブに出演している》設定の元、持ち歌を歌うライブ仕立ての舞台です。ちなみに原作ゲームは勿論のこと、小説版やアニメ版でもそういう話は一切描かれておりませんので、完全オリジの脚本になります。ですが原作ゲームの中では一応、登場人物全てがアイドルもしくはバンドマンな為、ライブをするのはデフォルトです。付け足しをすると原作ゲームでCVをつとめた声優さんのライブも実際、小さいハコと大きなハコでそれぞれ1回、開催済みです。

元々ゲームで使用されてる楽曲群がやたらと神なレベルですので、声優さんのライブがあるなら舞台キャストのライブも是非に!と座長をつとめたキャストの方が結構前からめちゃくちゃアピールしていたということですが、確かにライブできちんと1曲通して聴きたいというのはありました。舞台の上ではライブパートという演出でキャストの方が歌っていますが、当然芝居がメインですのでワンコーラスしか歌えなかったり、途中途中でアミカケがあったりしました為に、ここまで見事に歌ウマ揃いのキャスト様方を集めているのに、フルが無いのは勿体無いなと思っていました。

が、去年の夏にこのシリーズの新作舞台が上演されて、原作ゲームのシナリオが全て補完をされて「もうこの後はないんじゃないか」とクラスタ間で囁かれていたその数ヶ月後、今年の春に開催された円盤リリース記念イベントで『遂に今秋、舞台キャストによる待望のライブが開催決定!』という告知がババーン!と出たのです。

この報告には全クラスタがおおいに湧き、公演日程はいつになるのか、開催場所はどこになるのか、公式からの続報が来るのを今か今かと待ちわびながら「ライブ楽しみ!」「公式ホントにありがとう!」と、皆口々に期待と感謝の言葉をツイートしておりました。そして私も新作舞台でキャス変を受けて《最推しキャラ》の役を演じたキャストの方に『いつか必ずまたあのキャラとして、舞台の上に立ち上がって欲しい!と伝えたことが遂に叶って、めちゃくちゃ嬉しく思っている』と、その方の出られた舞台やイベを観に行くついで(?)に、直接伝えにいきました。その方はホントにめちゃくちゃ原作ゲームと演じたキャラを好きでいてくれ、新作舞台が終わってしまったその後も暫く4ヶ月近く、共演をされたキャストさん方と千穐楽に撮った写真を固定ツイートにしているくらいに《最推しキャラ》を演じたことを良い思い出にしてくれていて、ライブが決まった当時もそういや、再び自分が当該キャラを演じることをかなり嬉しく思ってるようで、上演に関するツイートだったりライブ配信の場だったり、はたまた特典会にてお話をさせていただく時だったりに、にこにこしながら「僕もめちゃくちゃ楽しみにしてます!」と、言っていたのを覚えています。

 

ですがその後、漸くライブの日程が決まり、上演都市と会場が決まり、公式サイトにアップがされたインフォメーションで目にしたものは、全クラスタをまとめて一気に絶望の淵へと叩き込む、とても非情なものでした。

 

【魂を揺さぶるファイナルライブ、その目に焼き付けろ!】

 

とはいえ皆、なんとなくうっすらわかっていたとは思います。前回公演のトリプルカテコで座長ひとりが緞帳の前に出て来た時、観客席に背中を向けて、舞台に向かって深々とお辞儀をしていたのを見て、座長の方を熱心に推してるオタクの方は「あの挨拶を見て、これで舞台は最後になるんだ……と思った」と言っていましたし、そして何より待てど暮らせど原作ゲームもそれからアニメも、次作が出てくる気配が無い。むしろそういう状態の中で、3年の間舞台化が続いていたのがスゴい。しかし周りは誰ひとりとして、悲観的にはなりませんでした。きっといつもの“終わる終わる詐欺”だろう、クライマックスライブと言ってはいるけれど、クライマックス=絶頂なんだから、きっと終わりの意味ではないと、まだまだ先があるはずだろうと、そう客観視をしてました。

ですが出演キャストの方が「これで最後になります」と言い、上演前の生放送でも「最後のライブ」という言葉が出、トークイベでも「今回のライブは、3年続いた舞台の最終章となります」という言葉が出、次のライブが実質ラストになるのだという現実が、残酷なまでに容赦無く、突きつけられてしまいました。どんなに嫌だと叫んでも、終わらないでと懇願しても、これで最後になるのは絶対、覆されやしないのです。それを漸く自覚した時、私はライブの公演期間が月末なのと、会社にとっての大きな仕事がそこにバッチリ入っているのを、心の底から呪いました。ですが幸い自分の仕事は日祝に限り定休なので、大阪楽と東京前楽、そして大楽の3公演のみ、なんとか参戦出来ました。どうしても自分が行けないところは友達を誘ってチケットを贈り、代わりにしっかり観てきて欲しいとお願いをしました。

行けることなら全12公演、きちんと見届けたかったです。滅多に外部の仕事についてのアピールをしない、最推しキャラを演じてくれた役者の方が自分の属する劇団の舞台で私にわざわざ「よかったら、今度のライブも観に来て下さい」と言ってくれ、チケットもまだ発売されていないうちから「勿論行きます。行けるところは全部行きます」と無責任にも返した私に「やったあ!」と叫んでぴょんぴょん跳ねて喜んでくれたその方の気持ちに報いることが出来なかったのが、今でもくそくそ悔しいです。

 

そして気付けば大阪楽を無事に終え、会社の仕事もなんとか片付き、遂にとうとうこの日が来るのを迎えてしまった訳なんです。3年続いた舞台シリーズの最終章、ファイナルライブの大千穐楽。これが昨日(12/3)の話です。

前エントリーでもちらっと触れておりますが、私は舞台で最推しキャラを演じてくれた役者さんを、めちゃくちゃ応援してきていました。その為大阪楽の舞台の記憶は、その方が見せた役への気迫と役者としての成長っぷりに、とにかく圧倒されたことしか残っていないです(※これについては『推しが演じたキャラクターの話・その2.5』にて語ってますので、ここでは割愛いたします)しかし前楽を観るまでの間の1週間、気持ちも漸く落ち着いて来て、作品自体をフラットに観る余裕もなんとか生まれつつあり、そして昨日の前楽とそして大楽で、やっときちんと最後の舞台を観られることが出来ました。ちなみにここまでが前置きです。ここから先が本題です。

 

1日経って舞台の記憶を思い返すと、大昔に観た当時めちゃくちゃ大好きだった“とあるバンド”の解散ライブが、ふとその舞台に重なりました。チケットに書かれた《ロックの雄、ここに終焉》という文字列が理解出来ずに当日を迎え、しかし今まで観た中で1番熱狂的で、とにかく全てが最高で、観終わった後もあれが最後のライブになるとは思えなくって、帰りの電車でひとり俯き、声を殺してひっそり泣いておりました。思えばあれで最後になると、このメンバーでステージに立つのもラストだと、前もってそれを明らかにしていたからこそきっと、メンバー全員が全力を出して、最高のプレイを最後に観せてくれたんじゃないかと、今更ながらに気付かされました。ライブが終わって暫くしてから「突然ですが……」と報告されて、立つ鳥跡を濁さずとばかりにいきなり姿を消されるよりは、全然マシだと思います。それを思うと今回のライブできちんと始めに《クライマックスライブ》と銘打ったのは、ある意味誠意の表れなのかもしれません。

ライブが終わったその直後、そして翌日になった今日。TLはライブのレポでみるみる埋まり、キャストの方のツイートやブログが回ってくると「いやもうホントに最高だった!ありがとう!」という呟きが湧いて、昨日で終わりを迎えてしまったライブについての思いの丈が、カンパニーへの感謝の言葉が、今尚現在進行形でTLに綴られています。現場で終わりを見届けた方も、生配信で見届けた方も、やむなき理由でそのどちらとも出来なかった方も、皆同じに寂寥感を募らせながら、あの歩道橋から見えた景色や青一色に染まった並木通りを思い出し、そしてしみじみ昨日のことを思い出し、明日から始まる生配信のアーカイブを観てまた、TLで舞台のことを語るのでしょう。

始まる前から既に終わりがわかっているから、最高以上の“最高”を魅せる。きっと誰もが同じ想いで最後のライブに全力で臨み、全力で支え、この作品の最終章が最高の形で終われるように、全身全霊かけたのでしょう。それはキャストの方々は勿論、座長の方も昨日のカテコで仰っていたよう、舞台を支える衣装の方やメイクの方、照明さんや小道具さん、そして映像クルーの方々に、歌唱指導や楽器指導に携わった方などなどの、とにかく全てのスタッフ様。この皆様が一丸となってくださったことで、12公演に及ぶ舞台がどの公演も、最高のものになったんだろうと思います。

そしてまた、最後の舞台を見届ける為に時間と都合のやりくりをして会場に向かい、法被を着込んでキンブレを構え、声枯れ果てるまでパッションをぶつけ、千穐楽ではそのパッションで会場の屋根を吹っ飛ばそうと、割と本気で目標としていた“ファン”の皆がいてくれたこと。この作品はファンの皆の支えによって活かされているとキャストの方からよく言われますが、これは決して誇張ではなく過言でもなく、その通りだと思います。私が今まで舞台観劇をしてきた中で、脚本家さんや音響さん、映像クルーや黒子の方へ、ファンの皆が声を揃えて「ありがとうございました!」と言うのを見たのは、この舞台しかありません。客出しのBGMが会場内に流れている中、それに合わせて大合唱をするところもまた、この舞台以外に見ていません。そして何より演出家様が、ファンの皆が作品に抱く熱量をしっかり理解した上で、それを舞台の演出として、作品の中に組み込んだこと。演出にあたって没入感を意識したとは仰ってましたが、観客席すら舞台の一部と化すレベルとなるこの没入感は、きっと恐らく他の舞台じゃ、なかなか味わえないでしょう。

とにかく全てが最高でした。

最高すぎる、最後でした。

 

そして最後に私的なことを書き残す、自分勝手をご容赦ください。

 

今回のライブで1年振りにあの役として舞台に立ったあなたの姿を観た人達が、あなたが彼を演じてくれてよかったと、引き継いでくれてよかったと、めちゃくちゃ感謝しまくってます。ダンスも歌も上手くなったと、1年相当頑張ったんだねと、あなたが見せた成長に対して、大絶賛を送っています。

千穐楽で「今はもう、アンタ達以外に代わりはいないと思ってるから!」と某さんに言われたあの言葉は、ファンの皆の言葉でもあると思います。お世辞ではなく本当に、あなたはちゃんと《彼》でした。カテコで叫んだ最後の言葉もびっくりするほど彼らしく、彼ならきっとああ言うだろうと思いました。

 

あなたが彼を演じてくれたそのことに、今はただただ深く感謝をしています。

本当に、ありがとうございました。