人生、難あり

若俳推し活備忘録

推しの演じたキャラクターの話・その3

性懲りも無く続きました。

 

1、2と続いて3が来る前に1で散々語ったことを引っ張って来てしまいましたが、あの作品とあのキャラ(を演じた推し)にはもう、並々ならぬ思い入れがあるので!!!とはいえクソ長々と続けてしまって!!!大変申し訳ございませんでした!!!!また、記事に対するスターも誠に!!!ありがとうございました!!!(※今更のお礼になってしまって申し訳ございませんが、めちゃくちゃ嬉しかったです)

なお作品名及びキャラ名などの諸々の部分は伏せていますが、もしもうっかり「ああ……」と察してしまった方がどこかにいらっしゃいましたら、今回のブログで語るキャラの出て来る舞台の話がとにかくめっちゃオススメですので、よかったら1度観てみて下さい。あの衣装以上にキテレツな衣装の彼がもれなく見られます(※褒めてる)

ただ残念ながら、ぱつぱつスキニーではありませんが……

 

【オリジナル舞台・キャラC】

こちらは推しが所属している小劇団の作品となるので、ストーリーなどの詳細は《1番好きな舞台の話・前/中/後編》をご参照ください。

 

推しは自分の小劇団の本公演が10回上演されたうち、10回目となった本公演の作品だけを除いては全部、ほぼほぼ主役で出演してます。多分恐らくどの作品にも思い入れだったり並々ならぬ愛着などがあるんじゃないかと思われますが、中でもこちらは「いつまでも心に残るキャラクター達。大好きです」とオリジナル舞台で演じたキャラから唯一挙げたものになるので、相当大事にしてたのでしょう。ちなみに私も本公演の作品の中ではこの作品とこのキャラクターが1番好きで、小劇団での推しの芝居を観たことが無かった友人にこの円盤を贈ったところ、皆揃って「すごく良かった!」「この劇団をオススメするなら、この作品を1番に推します!」と大絶賛をしてくれました。

この作品は推しが「等身大の僕らを描いた作品になります」と言っていました言葉の通り、設定は少し異なりますがここに出てくる《C》というキャラは、若手俳優というカテゴリに属した立場で生きてる推しと、ほぼほぼリンクをしています。デビューをしても鳴かず飛ばずで表舞台になかなか出られず、それでもいつかは夢が叶うと信じて願って自腹を切ってスタジオを借りて(しかし街金に多額の借金を作っている為、スタジオ代はメンバーのひとりに借金をする形で支払っている)ダンス練習に励むC。一生懸命踊っていても「なんかひとりだけズレてるよ!」「顔の圧を下げろよ!」と怒られるC。だけどもめげずにひとりでぶつぶつカウントを取り、とにかく踊り続けるC。これを観た時私の脳裏に過ったのは、寒風吹き荒ぶ東京都下のショッピングモールの屋外イベに行った時、簡素な造りのステージの隅、パーテーションの裏側のところで推しがこっそり、微かに流れる曲に合わせて、振り付けを必死におさらいしていた後ろ姿でした。

Cはとにかく前向きで、メンバー曰く「某居酒屋の、病的に明るい照明並み」に明るいキャラです。そして同時にマイペースであり、空気の読めないところも多々あり、けれども時々ハッとするほど真摯な姿勢を見せたりもする、非常に芯の強いキャラです。例え事務所にお荷物と揶揄され、売れっ子である後輩たちから馬鹿にされ、漸く巡ったデビューの話が損切りの為のものだと知っても、決してCはへこたれません。いや、へこたれることが“出来なかった”のかもしれません。他メンバーのテンションが下がって場の雰囲気が沈んだ時にも、自分がとにかく「なんとかなるよ!」と言い続けて行く選択肢しか、頭の中にはなかったのかもしれないと。

1度逃げ癖が付いてしまうと「もう無理」「もうダメ」「これ以上はもう、どうにもならない」と思った瞬間、容易に《逃げ》を選んでしまう。諦めることに躊躇が無くなり、ラクな方へと収まってしまう。これは私がかつて上司に言われた言葉なのですが、劇中でCがしきりに「ファイブ、シックス……セッブン!エイッ!」と繰り返し言うこのカウントを聞くと、その言葉をふと、思い出します。そういえば以前、スターをつけてくださった方のブログをこそっと拝見させていただいた時、推しに対して「自分で自分を追い詰めているように見えてしまってハラハラした」という旨のことを仰っていて、まさにそれですその通りです……!となりましたけれど、Cの明るさ、そして素朴さ、ひたむきなほどの真っ直ぐさ以上に、こういうところにCと推しとがめちゃくちゃ近いイメージがあると、私は密かに感じています。 

どんなに不遇を味わったとしても、決して逃げ出したりはしない。自分が掲げて目指した夢を、途中で諦めたりはしない。言うだけならば至極簡単なことですけれど、それを実際行動に移して突き進めるかどうかというのは、相当強いメンタルがなければ難しいことだと思うのです。特に、過去に1度《夢を追うのを諦めてしまった経験がある》のであれば、尚更のこと。

 

推しが以前、LINEライブ(だったと思う)で話していたことなんですが、推しは元々美容師になるべく勉強をして上京し、そしてサロンに入店したもの、1年経たずに辞めてしまった経緯があります。それは役者になるという夢を追った結果の“苦渋の選択”だったのだろうと思うのですが、配信中にちらっと一瞬その話になり、そしてトークに参加していたファンの子が、美容師を目指して現在勉強中だとコメントをしたのを見た推しは、その子に対してこう言ったのです。

「僕がギブアップしてしまった分まで、どうか頑張ってください」と。

 

泣きました。

そりゃもうめっちゃ泣きました。

次の日仕事があるというのに。

(突然の短歌)

 

きっと美容師になる夢も、そして役者になる夢も、推しの中では同じくらいに大きかったんだと思います。美容師になって、俳優さんや女優さんが舞台の上で別の人生を演じる手伝いをしたいと思った、というようなことをそういやこの時言っていたよな気がしましたし。実際推しは出演舞台の楽屋で時々、共演者様の髪の毛を切ってあげたりしているらしく、その方々からは「さすが推しくん!」と褒められたりもしてました。配信中にシザーバックや各種シザー、コームを取り出し得意げな顔でそれらを構える推しの姿も見られましたが、めちゃくちゃサマになっていました。

今現在、推しは役者としての仕事もかなり多くなり、はたから見れば新進気鋭の若手俳優ポジションに位置する存在となりつつあると思うのですが、そこには恐らく前述しました背景だったり、それがあるから尚更絶対“もっと上へ”と思う気持ちをぶつけているんじゃないのだろうか、と、この作品を見返す度に私は感じてしまいます。劇中でCが他メンバーに向かって檄を飛ばしたりする場面は特に、まるで己に対しても檄を飛ばしているかのように見えます。そして終盤、どんな窮地に立たされようと「なんとかなるだろ!」「やるしかねえだろ!」と言い続けてきたCが楽屋(のセット)でひとり頭を掻き毟りながら「次のカウントが出てこねえんだよ……こんなこと今まで、なかったのに……」と呟く場面は、いつか自分が直面する“かもしれない”未来を重ね合わせているかのような芝居をするので、当時の時より今観る方が個人的にはしんどいです。でもそうやって等身大の演技を見せる推しを観るのは、決して嫌いではありません。ただ観る度にタオルかティッシュを用意しないと、大惨事にはなりますけれど。

 

なおこの作品は、あえてラストで《未来》のビジョンを示さないまま、フェードアウトして終わります。表舞台へのデビューは一応果たしたものの、またもや彼らは鳴かず飛ばずのままなのか。それともいきなりブレイクを迎え、スターダムにとのし上がるのか。その先は恐らく受け取る側の自由な妄想、そして希望に委ねる形になるのであろうと思われますが、きっとこの先ちょっとしたライブを数回演って、それからどこかのレコードショップでお渡し会やらチェキ会やらを開催したのち、以降ぷっつり新譜のリリースが途絶えてしまって消息不明になったとしても、Cの耳にはいつまでも、あのカウントが聴こえ続けていたらいいなと思います。

 

願わくばそのカウントを、自らの手で止めたりするようなことには決して、なりませんように……。