人生、難あり

若俳推し活備忘録

推し甲斐のある推し

先日、推しが出ているとある舞台の東京公演が終幕を迎えた。

今月6日に幕が開き、トータルすると23公演。推しにとっては恐らく今まで出てきた中で、長期に渡る公演となる。出番も台詞も正直な話多くは無いが、物語上ではキーマンとなるポジションであり、満を持しての登場となる役柄なので、公演中は相当大変だったと思う。体調管理は勿論のこと、原作ファンの期待に応える演技を観せるという責任が、その双肩にはかかっていたのだろうから。

推しは、とにかく真面目な人だ。ツイッターでは年相応のチャラさを見せもするけれど、舞台の話をしている時は、根の真面目さがよくよく出ている。それは接触の現場においても時々垣間見えていて、観に行った舞台の感想を言うと突然スッと表情が変わり、目を見開いて真剣に耳を傾けてくれる。思えば私はその真面目さに触れて、推しを推そうと決めたのだった。そして舞台を観に行く度に、推しがよく言う『責任を持って役を演じる』という言葉の通り、その役として推しが真摯に生き抜く姿を誇りに思った。

責任を持って役を演じる、というのは役者にとっては至極当然のことかもしれない。以前観に行ったイベントにおいて先輩キャストに『お前それ、当たり前のことだからな〜』と突っ込まれてもいたけれど、その《当然》は実際舞台を観てみなければ、口だけのものに終わってしまう。そういう意味ではまさしく去年、あの1年は推しにとっての勝負年にはなったんじゃないかと私は思う。推しは一時期、役者としての存在意義に思い悩んでいたようだけれど、板の上ではそれを微塵も感じさせずに立ち上がっていた。どの舞台でも常に全力で役と向き合い、そして去年のラストを飾った舞台においてはその終演後『役者としての集大成をぶつけられてよかった』と感慨深けに呟いていて、私は心底推しを推してて良かったと、そのツイートを見て泣いた。

推しは、努力を重ねる人だ。そして努力を重ねたその結果、今年に入ってかなり多くのファンを増やした。フォロワーの数は一気に増え、ライブ配信の視聴者数も1年前の倍になり、バーイベのチケはあっという間に完売となった。更にはちらほら、過去に出ていた2.5次元舞台を調べ『推しくん、◯◯にも出てたんだ〜』と、呟く方も増えてきた。大半の方は推しの名前を前述の舞台で初めて知ったという状態で、中には時々『ここからめちゃくちゃファン増えるんだろな〜 もっと早くに知りたかったな〜 あんまりファンが増えたらヤダな〜』と、複雑な気持ちを吐露する人もいたりした。

ちなみに私は《舞台を観に来る推しのオタク》が増えて欲しい、と願ってやまないクソなオタクだ。そして出来れば芝居をしている推しの姿を多くの方に観てもらえるよう、そういう意味でのガッツを尽くせるオタクであったら、尚嬉しい。なにしろ推しは応援すれば応援するだけ、舞台の上できちんと返してくれる役者だ。前述の舞台で推しに興味を持たれた方が、そこに惹かれて役者の推しを推してくれたら、クソオタクとしては本望だ。

過去エントリーでもちらっと語っているけども、私は一時期、役者の推しを推すにあたって色々悩み、時には病んだ。応援の気持ちがオタクの負担とイコールになるのを『申し訳ない』と思わせてしまったことに対して、クソなオタクは1度ファンレに「舞台の上で生き抜く姿を多くの人に観て欲しいから、無理をしている訳ではない。気遣う気持ちは有難いけれど、申し訳なく思わないで欲しい」と書いてみた。そしてそれから数ヶ月後の外部の現場で、今度は直接それを伝えた。推しはめちゃくちゃ必死な顔で「僕、精一杯頑張りますから!絶対期待しかさせませんから!」と握手をする手に力を込めてそう言ってくれ、宣言通りその後すぐの舞台において、最高の芝居ととんでもねえファンサを届けてくれた。あれは恐らくオタクに対する返礼的なものだと思うが、たった1度の貴重な見せ場(?)を使ってくれた推しにはホントに感謝しかない。むしろそういう人柄である推しだからこそ、私は推しを推してることに誇りを持っていられるし、推し甲斐を感じているのだと思う。

 

数日後には前述の舞台の地方公演が幕開けを迎え、そのすぐ後には所属劇団の本公演が始まって……と、なんだかんだで現場は続くし、手元のチケは日々増減を繰り返している。推し甲斐のある推しを応援出来るということは、実はめちゃくちゃラッキーなんじゃなかろうか。応援の度合いは決して強火な訳ではないし、推しには未だに名前も名乗っちゃいないけど、ただぼんやりとでも、あの舞台から自分をずっと推し続けているクソなオタクがせっせと舞台を観に来ることが、推しの背筋を伸ばすひとつの理由に加われていたら、と、分不相応ながらも願ってやまない。うっかりしたら数ヶ月後には病院のベットで身動き取れない状態になってる可能性もあるが、それまではせめて1公演でもなるべく多く、舞台に立ってる推しの姿を見届けたいものだ。

 

検査結果を知らされるのが大阪楽の翌日でよかった……